手軽に省エネを可能にする潜在的資源・地中熱
原発再稼働の是非が議論されるなか、日本の技術者によって新たなエネルギーの開発が進んでいる。太陽光や風力だけではない、日本には知られざる「国産資源」がまだまだ存在する。我が国は、実は資源大国だったのだ!!
◆全国どこでも利用できるエネルギー資源「地中熱」
都市部でも農村部でも使えて、昼夜・天候に左右されないエネルギー。それが「地中熱」だ。家庭の消費エネルギー、企業の事務所の消費電力の半分以上が「空調」「給湯」など。つまり、省エネには効率的な熱利用が欠かせない。NPO法人「地中熱利用促進協会」の赤木誠司氏はこう解説する。
「地中熱とは、昼夜でも夏冬でも地下10m以下なら、年間通して一定である低温の太陽エネルギーのこと。年間通して15℃くらいで、夏は冷房に、冬は暖房に利用できます。地中に縦穴を掘り、熱交換パイプを設置。パイプ内に水、または不凍液を循環させることで、地中に熱を捨てたり取り入れたりする。これをヒートポンプに繋いで利用するのです」
この地中熱は全国どこでも採取でき、エアコンの利用が密集している都市部で使えば効率がいい。
「地中熱利用で、一日当たりの消費電力を暖房で約20%、冷房で約40%節約できます。夏場のピーク時の節電にも効果的です」(赤木氏)
【地中熱利用のしくみ】はコチラ⇒https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=360088
空調を地中熱にした場合、少なく見積もっても消費電力は3分の1程度削減できるという。さらに「地中熱利用が普及した際のヒートアイランド現象抑制効果も考慮すると、エアコン利用時と比べ、消費電力は半分程度になる」と日本地熱学会が試算している。
「これを東京電力管内の消費電力に当てはめると、業務用空調関係だけでも500万kWhの節約になります」(同)
まさにこれからの展開が期待できる“新エネルギー”なのである。
― 2013年 日本は資源国になる!!【4】 ―
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