シェールオイルで米景気は底堅い!?
現在、アベノミクスと浮かれている日本。しかし、この状態は安倍さんが引き起こしたことではなく、むしろアベノリスクが心配だ、と語るぐっちーさん。とはいえ、アメリカの景気回復が続けば、問題はないという
⇒【前編】はこちら
◆最大のスポンサー・アメリカの景気回復が続けば、日本も安心【後編】
(現役金融マン ぐっちーさん)
アメリカ更にラッキーなのは、あのシェールオイル革命。これはもしかすると第二の産業革命に匹敵するかもしれません。国際エネルギー機関(IEA)の予測ではなんと’17年(あと4年後ですぞ)までにアメリカはサウジアラビアを抜いて世界最大の産油国になるというのですから、これは奇跡的。あれだけ大量の原油を輸入しているアメリカが逆に輸出国になるというのですから、これが大ニュースと言わずなんでしょう。
為替もアベノミクスの影響などと言われますが、そんなことはなく、こういったファンダメンタルズを反映して既に昨年の10月あたりからとっくに流れが変わっています。余談ですが、安倍首相はその意味でとてもラッキー。こういった背景から円高の流れも株安の流れもすでに昨年の10月あたりから大きく変わっていたのです。
ですから、たとえ石破首相でも谷垣首相でも今ぐらいの相場水準には十分届いていたはずで、一番悔しがっているのは苦しい野党時代を頑張った谷垣さんではないのかな、とほんとに同情します。つまり日本経済はここから先が本当の勝負どころで、前から自民党の政策要項に載っていたものを自分のアイデアのように吹聴する安倍首相を見ていると、アベノミクスではなく、アベノリスクではないのか、とマジで心配しています。
しかしながら日本はアメリカの最大のスポンサーでもあるので、アメリカ景気の回復が続けばそれは朗報。当面底堅いマーケットになるかもしれませんね。
【今週の数字】
アメリカの1月度雇用統計(’13年2月1日発表)
15万7000人増
アメリカの雇用が回復傾向にあり、特に民間部門での回復が著しい。なかでも不動産と建設部門の回復が顕著だという。’12年11月と12月の見直し数字が24万人、20万人増と大幅上方修正をしたのも好材料だ
【選者】現役金融マン ぐっちーさん
ウォール街で20年生きてきたノウハウをブログに執筆し、いち早くサブプライムローン問題に警鐘を鳴らしていたアルファブロガー。金融と経済を中心としたオピニオンブログ「THE GUCCI POST」(http://guccipost.jp/)を主宰している
図版/ミューズグラフィック
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