なぜ日本で散骨は普及しないのか?

 意外と知らない通夜やお葬式でのマナー、業界の裏事情を綴った今、注目のサイト「考える葬儀屋さんのブログ」。「ライブドアブログ OF THE YEAR 2015」にも選ばれた同サイトの管理人・赤城啓昭氏に聞いた、恥をかかない今のうちに知っておきたいお葬式の常識とは――。人気連載、待望の第9回です。

 「考える葬儀屋さんのブログ」管理人の赤城啓昭と申します。

 最近、新聞・雑誌・テレビなどでお葬式の特集が組まれる機会が増えてきました。そのとき、必ずと言っていいほど取り上げられるのが「散骨」です。

 散骨とは、遺骨をお墓に収めるのではなく、海や山に撒いてしまうことを言います。

 私は自分がお葬式を担当したご遺族の散骨に立ち会ったことがあります。海上で遺骨を撒く、いわゆる海洋散骨と言われるものです。

散骨のルールは法務省が決める


 まず散骨を行う前に、散骨業者さんに依頼して専用の機械で遺骨を砕いてもらい、パウダー状にしておきます。なぜなら法務省が「散骨は節度を持った方法で行うように」と言っているため、明らかに遺骨と分かる状態では海に撒いてはいけないからです。

 そして、そのパウダー状の遺骨をいくつかに分けて紙に包んでおきます。散骨当日は、散骨業者さんの持つ船を貸し切ってご遺族と一緒に乗り込み約1時間沖に向かって走らせます。周りに水平線以外何も見えない状態になった頃に散骨を始めます。先ほどの紙に包んでおいた遺骨と鮮やかな色の花とを一緒に海に投げ入れるのです。

 そうして紙に包まれた遺骨がゆっくりゆっくりと海中に沈んでいくのを見送ります。正直申し上げて、実際に見学するまでは散骨っていかがなものかと思っていました。しかし、実際に体験してみるとなかなか感動的でした。景色の雄大さと、太古に海から生まれた生命が海に帰っていくという自然の摂理を感じからでしょうか。

 ちなみに、この専用の船を貸し切った場合の相場は大体25万~30万円くらいです。遺族が一緒に船に乗らないで、散骨業者に散骨を委託する場合は5万~10万円くらいで執り行うことが可能です。

 さて前述したように、マスコミで頻繁に取り上げられるせいで、散骨というのは一般的にかなり普及していると勘違いしている人がけっこういらっしゃるようです。しかし、実際に散骨をする人は実感としておそらく全体の1%くらいでしょう。100件葬儀があれば1件くらいしか散骨は行われないのです。マスコミで取り上げられるのは普及しているからではなく珍しいからです。

 では、なぜ散骨は普及していないのでしょうか。

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