更新日:2017年11月15日 18:19
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なぜ日本で散骨は普及しないのか?

セスナ機をチャーターして空中から散骨

 実は「自分が亡くなったときには散骨をしてほしい」と希望する人はかなり多いのです。それにもかかわらずうまくいかないのは周囲が反対するからです。  もし先祖代々から続くお墓を持っている場合、そのお墓の管理者であるお寺が反対します。「遺骨を海に撒くのはけしからん。ちゃんとお墓に収めなさい」と言うわけですね。  次に家族が反対します。「海に撒いてしまって手元に遺骨が全くないのは寂しい。だから、散骨には反対!」と言われてしまうわけですね。生前は散骨することに同意していたのに、亡くなってみて、いざ散骨という段になって尻込みしてしまう家族もいらっしゃいます。  また、船上で行う散骨以外にも実はいろいろなスタイルの散骨があります。  まずは空中からの散骨です 。セスナ機やヘリコプターをチャーターして行います。ただし、これをやった人に聞いたところによると、「目の前で一瞬にして骨が消えるため、全く情緒がないのであまりお勧めしない」と言っていました。  また、ロケットに遺骨を積んで衛星軌道上に乗せる宇宙葬というのが昔からあります。ただし、ロケットに乗せられる遺骨はわずか数グラムです。また、実際に遺骨が漂うところが見られるわけではないので、遺族のイマジネーション勝負になってしまうところも利用する人を選ぶでしょう。  こうしてみると船で行う海洋散骨がやはり一番無難なのかもしれませんね。将来、自分の遺骨を散骨したい方はまず家族を説得するところから始めてください。 <文/赤城啓昭> 【赤城啓昭】 葬儀社に15年以上勤務し、業界内部を知り尽くしたその道のプロ。業務内容はお葬式の担当と葬儀・葬儀業界の分析。Twitterアカウントは@kangaerusougiya。「ライブドアブログ OF THE YEAR 2015」にも選ばれ、月間45万PVを突破した「考える葬儀屋さんのブログ」も日々更新中。
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