6月13日を「はやぶさの日」と制定した「銀河連邦」ってなんだ?
6月13日が何の日かご存知だろうか? なんとこの日は、「銀河連邦」が制定した「はやぶさの日」なのである。――って、ちょっと待て。「銀河連邦」? 壮大かつSF好きの興味を引くネーミングのこの組織、いったいどのような連邦なのか?
実を言うと、この「銀河連邦」とはJAXA相模原キャンパスを擁する相模原市(銀河連邦内での呼称はサガミハラ共和国)の呼び掛けにより、1987年に提携された友好都市関係のことだ。
この友好都市関係の成り立ちは、とある小説のヒットに由来する。
’81年、井上ひさしの小説『吉里吉里人』(東北の寒村が突如日本から独立するというあらすじ)がヒットしたことを受けて、小説の舞台と同名の「吉里吉里」という地区を抱える岩手県大槌町が「吉里吉里国」として、’82年に建国宣言を行い観光客の誘致に成功。80年代には、他の自治体もこれに倣い、当地の特色を活かした「ミニ共和国」の建国を次々と宣言、最盛期には全国で200か国を超える「ミニ共和国」が“建国”されるというちょっとしたブームがあったのだ。
ところが,90年代に入ると財政難や市町村合併の影響、さらには単純に飽きられたこともあってブームは失速してしまった。「銀河連邦」もそんなブームの中に登場した「ミニ共和国」の集まる“連邦”なのである。
この「銀河連邦」、そんなブームの残滓なのかと思いきや、’87年の設立から20年以上に亘って、首脳サミットや市民会議、児童の交換留学、物産販売などを積極的に続けているのである。
阪神・淡路大震災の翌年、’96年には「銀河連邦を構成する市町の災害時における相互応援に関する協定」を締結。東日本大震災の際にはこの協定が初めて発効され、連邦加盟の自治体からいち早く救援隊が大船渡に入るといった、防災協力での実成果も上げている。ミニ共和国ブームが失速した今でも頑張っているのだ。
今回の「はやぶさの日」制定も、そんな活動の一つだったのである。
現在の「銀河連邦」には、連邦本部であるサガミハラ共和国(相模原市)、サンリクオオフナト共和国(岩手県大船渡市/三陸大気球観測所)、ノシロ共和国(秋田県能代市/能代多目的実験場)、サク共和国(長野県佐久市/臼田宇宙空間観測所)、ウチノウラキモツキ共和国(鹿児島県肝付町/内之浦宇宙空間観測所)、タイキ共和国(北海道大樹町/大樹航空宇宙実験場)の6つの自治体、もとい“共和国”が加盟している。
そんな連邦加盟の各”共和国”は、「はやぶさの日」を祝うべく、どのようなイベントを準備しているのか? 各加盟国の様子を追った!
⇒【後編】へ続く https://nikkan-spa.jp/229653
「銀河連邦」加盟6“共和国”における、「はやぶさの日」への取り組み
<取材・文/近藤智大 画像提供/JAXA>

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