埼玉で竜巻か/停電や家屋損壊も。9月は多発注意
http://www.mri-jma.go.jp/Topics/Kouenkai201206/120630_Tsukuba-tornado_watanabe.pdf
9月に入り、徐々に秋へと季節は変わっていくが、竜巻やゲリラ豪雨・水害には、引き続き注意したい。 <文/林健太>
●気象庁 竜巻等の突風データベース
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/tornado/
●竜巻講演会(気象庁気象研究所・2012年6月30日開催)※講演資料あり
http://www.mri-jma.go.jp/Topics/Kouenkai201206/120630tornado-sympo.html
2日午後、埼玉県越谷市と千葉県野田市で竜巻とみられる突風が吹き、家屋の損壊やけが人など、被害が広がっている。雷や突風による停電も発生し、隣接する地域でも混乱が生じた。昨年も茨城県と大きな竜巻被害があったが、日本国内での竜巻被害はどの程度、警戒すべきものだろうか? 気象庁が発表している「竜巻等の突風データベース」から紹介する。
◆竜巻の発生確認数
竜巻やダウンバースト(局地的に吹きつける強い下降気流)は、下記のとおり毎年多数発生している。
2012年-28件
2011年-15件
2010年-37件
2009年-23件
2008年-29件
2007年-12件
統計自体は、1961年に開始されたが、調査方法の改善や突風に関する調査を強化した2007年の情報のみ紹介する。新聞やテレビなどの報道、目撃情報も含めた情報源から収集した事例から、気象庁が竜巻と判定したものがカウントされている。
◆竜巻がよく発生するのは9月
1991年から2012年の発生確認数を月別でみると、最も多いのは9月(70件)、次いで10月(62件)、8月(38件)となっている。同期間に「発生時の気象条件」を集計したなかで上位の要因は、暖気の移流(79件)、寒冷前線(70件)、寒気の移流(61件)、台風(60件)。竜巻の発生が多い8月~10月には、これらの条件が揃いやすい。
◆積乱雲が近づいてきたら避難
7月から8月にかけてゲリラ豪雨が心配されてきたが、9月からは竜巻の警戒も必要だ。昨年、茨城県つくば市で発生した竜巻では、死者1名、負傷者37名、住家全壊76件、半壊158件という大きな被害となった。
竜巻に備えて、気象情報に気をつけるとともに、前兆現象についても抑えておこう。ゲリラ豪雨と同様、この季節に多い積乱雲に注意が必要だ。
気象庁気象研究所が主催した「竜巻講演会」の講演資料(※)によると、周囲で下記のような現象がみられたら、頑丈な建物への避難をした方がよいとされている。
・真っ黒な雲が近づく
・周囲が暗くなる
・雷鳴や電光
・冷たい風が吹く
・大粒の雨やひょう
※「竜巻講演会」講演資料「竜巻にそなえて~気象情報を上手に使おう~」12ページ目より
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