単なる遊びじゃない!パーティゲーム「人狼」は日常生活で役に立つ!?
「休日の予定は?」と聞かれて、手帳を見返して、筆者は愕然とした。このところ、休みの日とあればせっせと通うのは「人狼」のみ。少なく見積もっても、週に2回は人狼をしている。
女子校ルール』(中経出版)。Twitter @moyomoyomoyo (https://twitter.com/moyomoyomoyo)
「人狼」とは、パーティーゲームの一種で、村人側か狼側に振り分けられ、参加者の誰が狼であるかを推理して探すゲームである。TBS系やフジテレビ系でも人狼の番組が放映されたり、人狼を題材とした映画や舞台も生まれたりしている。
人狼は参加者同士でコミュニケーションをとり、言葉や表情や動きを尽くして人を説得していく場面の多いゲームだ。私自身、仕事相手との打ち合わせで、「○○さんの意見はそうなのですね。私視点ではホニャララなのです」などと、人狼の最中でもありがちな、互いの立場を明確にした上でどう落としどころを見つけるか、といった発言が増えたように思う。
ならば、ほかの人狼に熱中するプレイヤーたちも、日常生活で役立ったことがあるのではないだろうか。周囲に聞いてみた。
◆仕事編
「伝えたいことを明確に伝える工夫ができるようになりました。例えば、もともと早口で言い切ってしまいがちだったのが、重要な部分を区切って発言してみるとか。言いたいことがいくらたくさんあっても、全部を同じトーンでまくしたてても、相手には伝わらないんですよね。人狼のゲーム中でも、ここだけは全員で共有したい、という内容は一言一言区切って発言するようにしています」(25歳・男性)
「人狼って、言っていることが100%正しいという確証がなくても、自信なさげに言うのと、自信たっぷりで言い切るのとでは、後者のほうが信じてもらえることが多いんです。印象値で。僕は自営業なので、自分を売り込むために営業することが必要なのですが、ハッタリで『言い切る』と、仕事相手にも信頼されて仕事量が増えたような気がします」(24歳・男性)
◆恋愛編
「人狼でのスキルが役に立つ、というよりも、人狼で出会って付き合った相手って“本物”なことが多いんじゃないかなと思います。人狼って騙し合ったり、説得し合ったりする過程で、ゲーム中にかなり本性が見えるので、その姿を見ていて大丈夫なら、長続きするんじゃないかな、と」(33歳・男性)
「最近、4年付き合った彼氏と別れたのですが、別れ話をする際に、不毛な感情のぶつけ合いにならずに済みました。結論から言ったり、過去と現在の状況を整理して、なぜその考えに至ったのかを具体的に説明したり。その際、人間性の否定になるような発言はしないようにも。人狼でも、ゲーム中に相手の人間性を否定するようなことを言うのはご法度ですから。おかげで、今までの人生で上手く別れられず、二度と連絡取れなくなった人ばかりだったのが、今回はそうはなりませんでした」(26歳・女性)
ちなみに、「それで相手は本当に納得したのか?」と突っ込んで聞いてみたところ、「……私視点では」と返ってきた。実際、人狼で得たスキルを日常に活かせる場面は多いのだろう。ただ、それだけで完璧に相手と意図を共有でき、両者が納得する落としどころを見つけられると思うのは奢りだ。そう胸に刻み、明日からも人狼にいそしみたい。 <取材・文/朝井麻由美>
【朝井麻由美】
フリーのライター・編集者。主なジャンルはサブカルチャー/女子カルチャーなど。体当たり取材が得意。雑誌「ROLa」やWeb「日刊サイゾー」などでコラム連載中。近著[構成担当]に『
『女子校ルール』 とにかく女子校愛満載。笑いあり、発見あり、超必見の1冊です!! |
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