香山リカ、「アイヌ否定問題」で小林よしのり氏に反論
長らくのごぶさたです!!
……と言っても「何のこっちゃ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、超不定期連載「人生よりサブカルが大事」を執筆中断中の香山リカです。
あれ以来(編集部注:2013年に香山氏の弟さんが倒れた辺りから連載が中断するようになった)、サブカルパートナーの弟に脳波異常が発見され、「なんだ、あんた神経症じゃなくて脳の病じゃん」ってなことになったりし、「人生よりサブカルより脳波が大事」という感じでした。
そのあたりのお話はまたぜひ、脳波所見とともにここでご披露させていただきます。
んでもって、本日はサブカルといえばサブカル、でも今や違うっちゃ違う、小林よしのり氏への反論をこの場を借りて述べさせていただきたいと思います。
なぜ、小林よしのり氏?
なぜ、ファンレターなどではなくて反論?
……それについては、以下をお読みください。長いですよ……。ツイッター40回か50回くらいでしょうか。では、どうぞ……。
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漫画家の小林よしのり氏(以下、小林氏)と1月15日に対談させていただいてから2ヶ月、その模様が雑誌『創』3月号に掲載されてからも1ヶ月以上がたった。
そもそもそんな対談が行われたことじたい知らないという人も多いはずだし、読んでくれた人たちも目まぐるしい世間の動きの中、すでに終わった話として忘れてかけているのではないだろうか。
何をどう話したのかについては、私の口から説明する手間を省くようで恐縮だが、まずは雑誌『創』の編集長で対談にも立ち合った篠田博之氏による報告をご覧いただきたい。
「小林よしのりVS香山リカ『アイヌ問題』で激突対論!(篠田博之) – Y!ニュース」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/shinodahiroyuki/20150209-00042922/
今回の対談のそもそものきっかけをまとめると、次のようになる。
・昨年、札幌の金子やすゆき市議が「アイヌ民族は、もういない」とツイートしたことをきっかけに、ネットを中心に「アイヌ民族否定」の論調が高まり、ついにいわゆるヘイトスピーチデモのテーマのひとつに「アイヌ」が取り上げられるという事態に至る。
・ツイッターで、アイヌ民族としてツイートしている人にまで「アイヌなんてもういないのになりすましているだけ」「不正を働いて利権を得ている」といった心ない言葉が平然と浴びせかけられているのを見かねた私が、「言葉による民族浄化が行われようとしている」と雑誌やツイッターなどでこの動きを批判。
・その中で私は、かつて『わしズム』などで「現在の日本に『アイヌ民族』など一人もいない!」「アイヌ『民族のでっち上げ』を許すな!」などの主張を繰り広げており、現在の「アイヌ民族否定」の動きに大きな影響を与えていると考えられる、などと述べた。
・おそらくそれらを目にした小林氏が、昨年11月13日「アイヌは日本国民である」というエントリーのブログで、「言論・思想を封じるのではなく、思想し続けたいわたしに対して、香山リカと中島岳志は答えよ!」と呼びかける(https://www.gosen-dojo.com/index.php?key=joaa6dvgu-1998)。(ちなみに、ここでなぜ中島岳志氏の名前が出てくるかは不明。後に本人にも確かめたが「よくわからない」との返答だった)
それを受けて『創』での対談が実現したのだが、私としては3時間あまりの中で、ある程度、自分が伝えるべきことは伝え、示すべき資料は示せたつもりだ。
私の「伝えるべきこと」とは、ただひとつ、「いまネットを中心にアイヌへのたいへんな差別、否定が行われている。その構造は在特会による在日へのヘイトスピーチと同じ。それを食い止めるためには、いまだに保守派にも圧倒的な影響力のある小林よしのり氏の協力が不可欠なので何とかお願いしたい」ということだ。
そしてそのために、「現在の国際的・学術的の考え方に照らし合わせれば、アイヌは民族でありかつ先住民族であることは疑いようもないこと」「彼らへのアファーマティブ・アクション(差別是正や権利回復のための政策)を“利権”“特権”と決めつけるのは誤りであること」「もちろん個別の不正やムダは正すべきであること」を資料などを示しながら説明しよう、と考えたのである。
⇒【vol.2】に続く https://nikkan-spa.jp/820761
文/香山リカ
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