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舛添知事の進退問題はこう動く 追及すべき都議会の思惑とは?

「百条委員会」ではなく「総務委員会」で追及せよ

 それでは今後、都議会は何をすべきか。  最近、テレビでコメンテーターが、都議会に「百条委員会」を設置するよう主張しているが、全く現実的ではない。「百条委員会」とは、「自治体の事務」に疑惑があった場合、事実関係を調査するため、地方自治法100条に基づいて地方議会が設置することのできる特別委員会のことだ。関係者に記録提出や証言を求めることができるうえ、証人喚問と同様、虚偽証言には刑事罰が適用される。  しかし舛添知事の問題は、現在のところ自身の政治団体の不適切な支出や国会議員時代の政党助成金の流用などであり、「自治体の事務」ではない。既出の疑惑だけは、百条委員会の設置は困難だろう。むしろ、都議会の「総務委員会」の中で舛添問題を追及することが最も現実的だ。  総務委員会の所管は、政策企画局、青少年・治安対策本部、総務局、人事委員会、選挙管理委員会、監査委員である。「政治資金問題」は選挙管理委員会の所管であり、「豪華海外旅行」は政策企画局の所管なので、「総務委員会」の開催が適切だろう。

知事への不信任議決権

 そこで、舛添知事の疑惑を明らかにしたうえで、ようやく議会は知事に対しての「不信任議決」を検討することができる。この「不信任議決」があった場合、知事に与えられた対抗手段は、その通知を受けた日から10日以内に議会を解散することだけである。解散しなかった場合は、知事は失職するのだ。  しかし、都議会は解散されれば自分たちの選挙をやらなければならないし、知事は不信任議決を受けたくないため、都議会主要政党と知事サイドで話し合いがされるだろう。  この段階までくると、一部議員からは、マスコミが火をつけるまで舛添問題を放置し続けてきた不作為を責められないように、あわてて舛添知事に辞任要求を突き付けるか、いきなりの百条委員会や不信任議決を主張するなどのパフォーマンスが見られるだろう。
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舛添知事の進退は?
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