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舛添知事の進退問題はこう動く 追及すべき都議会の思惑とは?

知事に影響力を行使できる「側近議員」の不在

 とは言っても、都知事の権力は強大である。この強大な権力を持つ都知事に対して、都議会が影響力を行使できるのは以下の二つのパターンのどちらかしかない。  ①知事サイドに信頼の厚い「側近議員」による働きかけ。  ②数の力を背景に、都議会の主要政党(会派)が圧力をかける。  まず、①についてだが、影響力のない議員が何を言ったところで、舛添知事は痛くもかゆくもない。彼らの発言については、自分たちの尻に火が付いたか、単なる選挙目当てのパフォーマンスで騒いでいると見るべきだ。  都政に影響力を行使することができるのは、知事サイドに信頼の厚い「側近議員」である。彼らでなければ、都知事を動かすことはできないのだ。  しかし、「側近議員」は、石原、猪瀬時代と異なり、舛添知事には存在しない。

主要政党による圧力

「側近議員」がいないとなると、②の「数の力を背景に、都議会の主要政党(会派)が圧力をかける」しかない。つまり、舛添知事の生殺与奪権を握っている主要政党がどのように動くかがポイントである。主要政党とは、自民、公明、民進である。「自公×民」の構図の国政と異なり、地方自治体では、自公民で与党体制をとっているところは多い。  それはなぜか。強力な権力を持つ首長に議会が対抗するためには、とにかく議員の数を確保しなければならない。そのためには、共産党を除く主要三政党で団結することが手っ取り早いのである。自治体の首長選挙で、「自公民」相乗り候補が多いのはそのせいでもある。
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「百条委員会」ではなく「総務委員会」で追及せよ
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