群雄割拠の“サバイバー・シリーズ”――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第105回
ウォリアーはダラスWCCW(ワールドクラス・チャンピオンシップ・レスリング)をサーキットしていた時代、ディンゴ・ウォリアーというリングネームを名乗っていた。ディンゴはオーストラリア産の野生犬のことで、ウォリアーはケリーのニックネームだった“モダン・デー・ウォリアー(現代の戦士)”からアダプトされた。WWEではディンゴの部分だけがアルティメット(最後の、究極の)にアップグレードされた。
ホーク&アニマルのロード・ウォリアーズは1990年6月、WWEと正式契約を交わし、チーム名をウォリアーズからLODにマイナーチェンジした。ホーク(マイク・ヘグストランド)とアニマル(ジョー・ローリナイディス)は“ロード・ウォリアーズ”というリングネームの版権・著作権・知的所有権を保有していたが、WWEのリングではもうひとつの登録商標であるLODを使うことになった。“ホーク”と“アニマル”のライセンス契約をめぐり、ウォリアーズは契約段階からビンス・マクマホンとモメた。
ウォリアー、ケリー、ホーク、アニマルの4人が同じコーナーに立っているという光景は、いまになってみると不思議な感じがする。試合は、ウォリアーがアックスをフォールし、LODとスマッシュ&クラッシュがダブル・カウントアウトで失格。ヘニングがパーフェクト・プレックスでケリーから3カウントを奪い、最後はウォリアーがフライング・ショルダーとボディースプラッシュの波状攻撃でヘニングからフォールを奪った。
ハルク・ホーガンはこの日、第3試合に登場しビッグ・ボスマン、タグボート(前名タイフーン)、ハクソー・ジム・ドゥガンとカルテットを組み、アースクェイク&ディノ・ブラボー&ハク&バーバリアンと4対4イリミネーション・マッチで対戦。ボスマン、ドゥガン、タグボートの3人が姿を消し、ハク、ブラボー、アースクェイクが失格となったあと、ホーガンがバーバリアンを十八番レッグドロップでフォールした。ホーガンのポジションはあくまでも別格だった。
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