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「予備自衛官」って知ってる? 災害派遣招集に応じても報われない現状

「何もかもが足らない! ボンビー自衛隊の実態! 06」

予備自衛官の災害派遣招集に応じたらいろいろトホホだった

陸上自衛隊HPより引用

 自衛隊が近年、とくに注目されるようになったのは、東日本大震災への災害派遣で活躍したことでした。地震や津波によって破壊され尽くした町で、雪の降るなか、泥水に浸かりながら懸命に捜索・救助を行い、瓦礫からたくさんの命を救いました。厳寒のなか、必死になって被災地で活動する場面を、多くの国民がテレビや新聞などの報道で知り、これまで裏方だった自衛官が、表舞台に出るようになったのです。その災害派遣の現場に、一般にはよく知られていない「予備自衛官」という人たちがいました。  「予備自衛官」は非常勤の自衛官のことで、非常勤国家公務員として、有事・訓練等の際に招集され、自衛隊における各任務に就きます。東日本大震災が初めての招集でした。予備自衛官にはその区分に応じた手当や報奨金がありますが、通常の手当は基本的に訓練の翌月に支払われます。しかし問題は、「イザ」というとき。防衛招集や災害招集などに応じて自衛官として出頭して働いた場合の給料(手当)が、翌月すぐには支払えないところにあります。  支払うことができる潤沢な資金がどこにもなく、どんな小さな支払いにも細かい手続きを踏んで、まちがいがないように申請していかないとお金が使えないのが自衛隊です。だから、「緊急時に国が困ったときは助けてあげたい」という気高い意思をもって会社や学校を休んで招集に応じ、災害派遣で働いた予備自衛官に対してすら、翌月にお給料を支払うことは簡単にはできません。
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待てど暮らせど振り込まれない給与…
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