若者のクルマ離れだけが原因じゃない!? ドライブデートが衰退した理由を考える[コラムニスト木村和久]
②大都市圏での若者のクルマ離れ
東京や名古屋、大阪などの大都市圏の話をしましょう。大都市圏でクルマを持つと、経済的にかなりの負担を強いられます。実家ならともかく一人暮らしでクルマを買うとなると、中古車でもクルマのローンが3万円ぐらいかかります。さらに保険料や駐車場代、ガソリン代やETC代の維持費を考えると、月6万~8万円ぐらい飛んでいきます。
今は非正規雇用全盛で格安スマホが売れている時代。クルマを買う以前に生活に追われがちです。だから、クルマは経済的に余裕のある人しか持てません。そもそも、飲酒運転の取り締まりが厳しくなったので、お酒を飲んでからクルマでどこかに行くなんてことは100%不可能です。今の若者は酒の力でも借りないと口説けないようなメンタル弱いちゃんが多いので、クルマ利用のメリットが減っている気がします。
③丸1日かけるデートの衰退
全国的に言えるのですが、カップルが丸一日かけて遠隔地へ行く行為が減っている気がします。それはスキー、スノボ、ゴルフなども同様にお金がかかって丸一日潰れてしまうレジャーの人口は、ピーク時の3分の2ぐらいになっています。もちろん根強いリピーターはいますが、それはグループで行くレジャーであり、カップルでゴルフに行ったとかスノボに行くのは、ちょっと気が重いのです。カップルとなると、相手の家に迎えに行ったり、用具一式を買ってやったり、それは別精算としても、技術指導をしなきゃならない。そもそも男性がある程度、エキスパートじゃないと教えられないでしょ。いろんな部分で男性側のエスコートの負担が重くのしかかり、耐えられないのです。だからグループで、下手丸出しのレンタルスキーで、楽しむレジャーの方が、なんぼ気楽なことか。
そもそもドライブはクルマという密室空間にカップルが半日一緒にいるわけでしょ。それ自体が気まずいというか。「屁もできない」と双方思っているんじゃないですか。昔はお気に入りのBGMをかけていましたが、今はスマホで日頃音楽を聞けますから。男が練りに練ったBGMをかけても、かえって下心ミエミエと言われそうでやりづらいです。
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