美しすぎる女性ライダー岡崎静夏 時速200kmオーバーの世界で“男と競い合う楽しさ”
やがて岡崎は、男子選手に混じって全日本ロードレース選手権で戦うようになる。たしかにボートレースなどでも男女混合戦はあるが、フィジカル面で勝る男性を相手に、時速200kmを超える世界で戦うのはいかにも大変そうだ。だが岡崎自身は、男性に比べて女性ライダーが特に不利だとは考えていないという。
「あくまでも走るのはバイクであって、選手自体じゃないですからね。それに“最低重量”というものが規則では決まっているんです。J-GP3だと135kg。つなぎからマシーンまでフル装備での重さが、これを下回ってはいけない。なので、体重もいくらでも軽くできるというわけではないんです。もちろん男性よりも筋肉量が少ないのは事実ですけど、そのへんはジムで集中的に鍛えるようにしています。乗るときに重要な体幹……特に腰回りの筋肉を筋トレしていますね」
男女差はないとする岡崎だが、実際の成績上は男子と戦うようになって壁にぶち当たったのは事実だ。これまでと同じ走り方では勝てない。そう感じた岡崎はイケイケの根性勝負を根本から改め、技術の精度を上げる方向に集中する。求めるのは“速さ”よりも“上手さ”。やみくもに速さだけを求めると、結果として横転してしまうことも経験から学んだ。素早くコーナーを回るためには、むしろ上手に減速する必要があるのだ。繊細なコントロール技術や、ミリ単位の体重移動を研究するようになる。
「でも、上には上がいるんですよ。世界選手権に出たときは、みんなの走りがすごすぎて笑っちゃいました。マシーンを扱う知識というか引き出しの多さが、それこそハンパじゃないんです。しかも、すごく楽しみながらレースしている。コーナーで競り合っていても“お前、こんなこと知らなかっただろ?”って言われているような気がして。その走りは、まるで魔法を使っているみたいでした。ただ彼らが本当に魔法使いだったら諦めるけど、同じ人間ですから。つまり、私にもできるってことじゃないですか。“いいこと知っちゃったな”って、少し得した気分になったんですよね」

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