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商社、広告代理店、旅行業界。企業再生のプロが教える就職企業選びの正解

 新卒採用の就職活動が盛り上がりをみせるこの時期によく目にする「就職したい企業ランキング」。

 ここに載る企業のうち、新社会人が定年を迎える40年後にいったい何割の企業が存在するだろうか。そもそもこのランキングは、一部において、学生目線での「名刺を持ちたい企業ランキング」でしかないと揶揄する声もある。

 しかし、企業と学生との情報格差は大きく、学生がしかるべき企業を選定することはそう簡単ではない。よって、学生でも比較的簡単に企業の情報を見極められる財務諸表を読み解けることは大きな武器になる。

「まずは借入金の割合を示す自己資本比率と、短期的な支払い能力を示す流動比率を確認するのが一番ですね。また、就職するにあたって、自分の給与がどのようにあがっていくのかも重要ですから、平均給与を確認するのも大事です」

三戸政和氏

 そう解説するのは、企業の再生を手がけるバイアウトファンド日本創生投資代表取締役CEOの三戸政和氏だ。

「これらの指標は、有価証券報告書をみればすぐにわかります。未上場の企業でも、帝国データバンクをみれば、ある程度は入手可能。また、株式上場していないものの、ホームページで有価証券報告書を開示している企業も少なくありません。就活をしている学生は企業のイメージだけではなく、財務諸法を読み解いて自分が本当に入るべき企業を見極めてほしいですね」

 そこで本記事では、新卒学生の「新卒就職人気企業ランキング」の上位に入る商社、広告、旅行業界の財務諸表を見ながら、就活生が入るべき本当におすすめの企業を三戸氏に解説してもらった。

 なお今回の記事では各企業の有価証券報告書を参考にした。

1:5大総合商社対決! 三菱商事、三井物産が盤石、短期的には伊藤忠商事が安全


 坂本龍馬の亀山社中から始まったとされる日本独特のビジネスモデルである総合商社。亀山社中から九十九商会の流れを引き継いだ三菱商事は、”組織の三菱”とも呼ばれ盤石の財務状況だ。古くからの資産積み上げで自己資本比率は33.6%となっている。

 人の三井とよばれ、三菱商事と同様に資源やエネルギー、インフラに強いともいわれる三井物産も33.6%とならんで高い。一番低いのは、元々は伊藤忠商事と同根で、繊維や食に強い丸紅で19.9%。和をもって貴となすといわれる社風で、社員や取引先にも剰余金を分配してきたからかもしれない。

 そして、流動比率は、三井物産が167.7%と高く、繊維の住友商事が159.8%と続く。最近は、伊藤忠商事がバナナのドール買収が利益に貢献し、商社ナンバーワンの地位を狙っている。それぞれの平均年収は、三菱商事がずば抜けて高く1446万円。これに、伊藤忠商事の1383万円、三井物産1363万円と続く。

 こうしたデータを読むと、三菱商事と三井物産が財務諸表においてはバランスが取れていると言えよう。

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JTBは自己資本も流動比率も高いので安全

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