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“第二の東芝”になった時、あなたの会社は救われるか? 潰れてもスポンサーが集まる会社、集まらない会社の違い

東芝にはスポンサーが集まるのか?


“第二の東芝”になった時、あなたの会社は救われるか? 潰れてもスポンサーが集まる会社、集まらない会社の違い 2015年の粉飾発覚から苦境に追い込まれている東芝。力をいれてきた半導体メモリー事業や「REGZA」ブランドで知られるテレビ事業の売却を検討し、監査法人の承認をえずに決算発表を行った様子は連日新聞・テレビを賑わせている。

 上場企業である東芝が、監査法人による監査意見なしに決算の発表を行うことは、投資判断の根拠となる数値にお墨付きがないことを意味する。日本創生投資代表取締役CEOで企業の再生を手がける三戸政和氏は、監査意見なしの決算発表の異常さを次のように説明する。

三戸政和氏

三戸政和氏

「東芝の決算発表は、日本銀行の印鑑がない1万円札でモノを買おうとしているようなもの。これで東芝がいかに異常な状態で迷走をつづけているかということがお分かりいただけるかと思います」

 とにかく、会社というのはスポンサーの支援など、資金がつづけば会社経営はつづいていくもの。東芝はその資金をつなぐために、本業以外でお金になるものを売却し、財務体質を改善することで現在銀行からの借り入れもおこしやすい状況をつくろうとしている。

 また、上場を維持しなければ資本調達も困難となることから上場維持にも必死なのである。では、東芝にはスポンサーがつくのか。三戸氏に今後の東芝を読み解くポイントを聞いてみた。

今後の東芝を読み解く2つのポイント


 今後の東芝を読み解くポイントとなるのは、2つです。

 売却を想定している各事業について、東芝が考える金額でスポンサーがつくのかということと、最後に東芝本体が再生可能となるスポンサーがつくかどうか

 たとえば、半導体メモリー事業売却の入札では、10社が名乗りを上げたものの不調だといわれたり、そのうちの1社である台湾の鴻海精密工業が3兆円を提示しているといわれたりと、スポンサーがどのような形でつくのかが東芝の運命をにぎっています。

スポンサーがつきやすい会社とは?


 というわけで、企業の再生事業に携わるバイアウトファンドを経営する筆者の立場から「スポンサーがつきやすい会社」をみていきたいと思います。

社員がお客さんと目を合わせる


 筆者が投資ファンドとして、投資検討をするさいには、まず対象の会社に訪問して社内の雰囲気をみます。再生の可能性がある会社は、社員のみなさんの目が生きており、客が訪問したことに積極的に気づき挨拶があります。

 現場の社員は、自分たちが行なっている事業が儲かっていれば、気持ちも折れずに仕事に向き合えるからというのがその理由だと思います。逆に、再生が厳しい会社は、現場レベルでも収益があがっておらず、社員の目も下向き。客がきても関心が乏しく、社員からの挨拶がないことも珍しくありません。

 本業自体が死んでしまっている企業は、不採算部門を売却するなどの外科手術をほどこしても回復不能なことが多くスポンサーもつきにくいと言えるでしょう。

自社ビルじゃない


 以前の記事でも書きましたが、収益を生まない資産を持っているということは、それに対する投資の資金が寝てしまっているということ。投資の効率性が低いことからスポンサーはつきにくいでしょう。

 東芝は、浜松町に本社ビル(港区芝浦1−1−1。東京芝浦電気が旧社名です)を保有していましたが、08年に売却をしています。その頃から財務的に良くないことが内部的に分かっており、リーマンショックの煽りも受けて売却を行なっていたのかもしれません。

 このように収益を生まない資産を保有していなければ、不要な資産を取り除く手術の手間もはぶけることからスポンサーはつきやすいと言えるでしょう。

社用車が多い


 基本的に社用車は本業の収益をあげる上では重要な費用ではなく、費用対効果が一番低いコストといっても過言ではありません。

 逆にいえば、このような費用対効果の低いコストを払っている企業は、本業の利益率が高いともいえ、無駄なコストを削減する手術をすれば再生する可能性があります。

 東芝ほどになれば、社用車はもとより、削ることができる費用は多くあるでしょうから、再生の可能性がみえます。実際に、厳しい時期を乗り越えて利益体質に生まれ変わったソニーの販売管理費と比べると、東芝は1.5%ほど高いことから、単純計算では860億円ほどの費用を抑えられる可能性があります。

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斜陽産業でもスポンサーは集まる?

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