「ポテトを頼んだら上司にキレられた」私たちが理不尽なニュースに憤慨する理由【魂が燃えるビジネス】
今回のフライドポテト論争に限らず、理不尽なニュースは年に数回、世間を賑わせます。たとえば去年は「筆算で小数点以下のゼロを斜線で消さなかったら減点された」という子供の体験談が話題になりました。
「1.2+3.8=5.0」の小数点とゼロを斜線で消さなかったら、テストで減点されたという話です。
この話題もニュースサイト、ツイッター、テレビなど様々なディアが取り上げ、「子供がかわいそう」「教師はバカ」「文科省は愚か」という、子供の受けた理不尽に憤慨する意見がたくさんありました。
このニュースは「子供が理不尽な目に会っている」ということを示しています。しかし、このニュースが話題になることは「私たち大人が、子供と同じくらい理不尽に苦しんでいる」ということを示しています。
かわいそうな子供の裏には、同じようにかわいそうな目にあった自分がいるのです。
上司も部下もフライドポテトも、生徒も教師も文科省も筆算も、そうした客観的なことは、自己成長には関係がありません。
あなたがこうしたニュースをきっかけに使命に目覚め、日本の企業風土や教育制度を変えると決意し、自分の人生として問題に取り組むなら別ですが、そうでなければ当事者が解決する問題でしょう。
しかし、私たちはそうしたニュースにすぐに同一化して、自分を忘れてしまいます。まるで当事者のように感情に振り回されて、何が正しいのかという議論に終始します。
もし今度、理不尽なニュースを知って、当事者かのごとく「許せない」と憤慨したのなら、一度そこで自分を振り返ってみてください。
どうして自分は憤慨しているのか? 過去にそのニュースと似たような経験をしなかったか? その時、誰に対し、どんな感情を抱いたのか?
そうすると、その時には見えなかった構図が見えてきます。自分の体験を時間を置いて振り返り、客観視することでその時の感情から自由になれます。
こうしたプロセスを行わずに悪感情をくすぶらせたままにすると厄介です。これから先も同じような状況になった時に、同じ反応を返して、同じ結果が繰り返されます。
逆にその悪感情をクリアすれば、同じ状況になっても、違う反応を返して、別の結果をもたらせます。
同じ問題が起きるのは、それにまつわる感情問題が未解決だからです。逆に過去の理不尽を許すと、その分だけ未来の理不尽が減っていきます。
自由になるというのは、問題や相手からではありません。それに囚われた自分自身の感情や思考から解放されるということです。
他にも色々な解決法があるかもせれませんが、これが人間の心の動きを踏まえた自己啓発の手法です。
自己啓発は読んで字のごとく、自己を啓く(ひらく)行為です。自己啓発書やビジネス書を読んだり、セミナーに参加するだけではありません。
ニュースも見方一つで、自己啓発の材料になります。テレビやネット、紙面の向こう側にいる誰かを無能を呼ばわりしても、私たちの人生は何も変わりません。本当に注目すべきなのは、自分自身です。ぜひ実践してみてください。
【佐々木】
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
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