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なぜ自己啓発書を読んでもうまくいかないのか?【魂が燃えるビジネス】

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるビジネス」とは何か? そのヒントをつづる連載第5回 なぜ自己啓発書を読んでもうまくいかないのか?【魂が燃えるビジネス】 デール・カーネギーの『道は開ける』、松下幸之助の『道をひらく』、ナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』、スティーブン・R・コヴィーの『七つの習慣』、スティーブン・ピレジーの『チーズはどこへ消えた?』、デイル・ドーテンの『仕事は楽しいかね?』……世の中には、さまざまな自己啓発書があります。大富豪や実業家といった成功者の自伝。成功者を研究して体系化した成功哲学。冴えない主人公が成功哲学をマスターするまでを描いた物語。  とくに昨今は自己啓発ブームです。片付け、ストレッチ、筋トレなどの切り口でも自己啓発書が出版されています。ひょっとしたら、あなたも読んだことがあるかもしれません。  自己啓発書は著者が成功者だけあって、自論をわかりやすく、理路整然と説明してくれます。おかげで読んでいる間は「なるほどなるほど」と理解できますが、では、そのあと内容を自分の生活に反映できたでしょうか?  多くの場合は、残念ながらそうならず「読んだだけ」「タメになる話を聞いただけ」で終わってしまいます。一か月も経つと読んだ内容がかすみ、一年過ぎたらブックオフ行きも珍しくありません。  そんな風に自己啓発書を生かせないタイプにはある特徴があります。彼らは「どうすればいいのか?」という方法論を求めているのです。 『つまり、どうすれば成功できるんだ? それを手っ取り早く教えてくれよ』  そう考えて方法論に注目してしまうと、自己啓発書はどれも同じことが書いてあるだけに見えてきます。それもそのはず、人間が成功するには『目標設定』『時間管理』『他者への奉仕』の徹底くらいしかありません。  しかし、自己啓発書に書かれている内容は方法論だけに限りません。  自己啓発書の文章は主張と根拠で成り立っています。「AをすればBになる」という方法論は主張で、「なぜなら○○で△△だから」と説明している部分が根拠です。  そして根拠には科学的根拠や合理的なロジックだけでなく、著者自身の体験談が含まれています。この体験談こそが自己啓発書を読む上での注目ポイントです。体験談に注目して読むと、学べる内容がまったく変わってきます。  体験談には、著者が苦境に立たされた時、何をどう感じ、どうやって突破口を見つけたのか、その過程が赤裸々に語られています。そこに込められた著者のパッションに触れられれば、「自分もやってやる!!」と行動力が湧いてきます。  ところが体験談ではなく方法論に注目してしまうと、著者の個人的なエピソードを「そんなのケースバイケースでしょ」と片付けてしまいます。確かに人それぞれ事情は違います。しかし苦境に立たされ、それを乗り越えていくことは変わりません。  大切なのは「なにを同じと考えるか?」です。方法やロジックばかりに注目して、「どれも同じ」と偉人達のメッセージを切り捨てるのか。それとも逆境に立ち向かった彼らの生き様にも注目して、「誰もが同じなんだ」と発奮材料とするのか。
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自己啓発書の内容を活かせないときは…
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