「目標」と「目的」は違う。成功するには両方必要【魂が燃えるビジネス】
―[魂が燃えるメモ/佐々木]―
いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるビジネス」とは何か? そのヒントをつづる連載第7回
「成功しないのは目標を紙に書かないから」「目標を明確にすれば何をすればいいかわかるようになる」
ビジネス書や自己啓発書を開くと、必ずといっていいほど「目標設定」について書かれています。しかし、言われた通りに目標を設定しても、その目標に集中できるようには、なかなかなりません。
たしかに目標を明確にすれば、「何をすればいいか」はわかるようになります。しかし、「わかったことをやりたいかどうか」はまた別の話です。
最初の数日は「やるぞ!」と思っていても、あっという間にどうでもよくなってしまう。半年後には目標を書いた紙が埃まみれで、色褪せて、壁にぶら下がっているだけ、なんてハナシも珍しくありません。年末には、志もいっしょにゴミ箱行きが確定です。
ああいった本はなかなか押しが強いので、読んでいると「それだけが原因」のように思えてきます。例えば今回なら、目標設定をしなかったことだけが原因で、それを満たせば成功する、といった感じです。
しかし、社会や人間の心は想像以上に複雑です。ビジネスも勉強もダイエットも人間関係も「○○だけ」で成功することはほとんどありません。もし成功したのだとしたら、それは今までの積み重ねでたまたま条件が揃っていたのだ、と考えたほうが無難でしょう。
では今回の「目標設定」について足りないものは、なんでしょう? それは「目的意識」です。目標と目的、どちらも似たような言葉ですが、その違いを私は次のように定義しています。
目標は売上金額や販売個数など「達成したら終わるもの」を指しています。ビジネス以外だと、ダイエットで「3kg痩せる」、勉強で「東大に合格する」などが挙げられます。
一方、目的は「達成といった基準がなく終わらないもの」を指しています。もっともわかりやすいのが医者と消防士です。たとえば、医者が患者を救うことに終わりはありません。仮に1万人に治したとしても、「これだけ治せばもういいだろう」という話にはなりません。
消防士も同様です。「これだけ消火したら、もういいだろう」という話にはなりません。どちらも命に直結しているので、要請があればいつでも駆けつける。だからこそ、この二つの職業はいつの時代でも尊敬されています。
ビジネスをクリエイティブに、情熱を持って続けるには目標だけでなく、こうした目的が欠かせません。
どんなに大きな目標をつくっても、またそれを細分化して数値目標を設けても、「なんで俺がこれをしなきゃいけないの?」という疑いを満たせる目的がなければ、いつまでたってもイヤイヤやるだけです。しかも目標が生み出すノルマがその人を苦しめます。
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コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
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