ライフ

「東京都名古屋区になりたくない」名古屋人の市民意識

―[大名古屋論]―
 経済は安定、メシは旨い、魅力がないと小バカにされるが、住めば都の住み心地……なぜかバカにされ続ける名古屋の底力、真の姿に迫った。

判官びいきで現実主義な市民は巨大与党が嫌い!?

河村たかし氏

河村たかし氏

 名古屋の政治風土の特徴としては旧民進党支持層の厚さがまず挙げられるだろう。名古屋市長の河村たかし氏も、元は名古屋市域を選挙区とする旧民主党所属の国会議員だった。民進党市議団幹事長の小川としゆき氏に、こうした名古屋人の投票行動の背景を聞いてみた。 「愛知県は製造業が盛んで連合系の労働組合が強いのに加え、『東京都名古屋区になりたくない』という市民意識が影響していると思います。首都の巨大与党に押されている野党に肩入れしたくなる、判官びいきの気質があるんです」  この環境で政治家が選挙を勝ち抜くためには何が必要なのか。 「名古屋人は現実的なので、耳にいい話を振りまくだけでは通用しません。例えば、私の守山区は地下鉄の駅がないですが、『地下鉄を通します!』と叫ぶだけでは相手にしてもらえないのです」  名古屋では地道に有権者と顔を合わせて信頼を得ていくしかないと小川氏は言う。だが一方で、当地には河村たかし市長のような変人を愛する土壌もあるらしい。 【小川としゆき氏】 ’76年、名古屋市守山区生まれ。東京の大学を卒業後、名古屋選出衆議院議員の地元担当秘書として故郷にUターン。公設第一秘書を経て’07年に名古屋市議選挙に出馬し初当選。現在3期目を務める
おすすめ記事