更新日:2022年11月25日 23:05
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2018年始めるべきは仮想通貨だけではない!“株式投資型クラウドファンディング”はここが凄い

 人気を集める企業の特徴は、これまでのクラウドファンディングと同様、社会解決型のベンチャー企業が多いこと。  だが、個人からカネを集めるということもあり、出資を募れる企業は厳しく審査されているとか。  日本クラウドキャピタル代表取締役COOの大浦学氏によると「各企業は投資のプロの目で厳しくチェックされるため、審査は厳しい。FUNDINNOではこれまで約500社エントリーされていますが、通過率は6%程度です」とのこと。

始めるなら普通株式型が絶対オススメ

株式投資型クラウドファンディングのしくみ

株式投資型クラウドファンディングのしくみ

 株式投資型クラウドファンディングは、発行する有価証券の種類に応じて普通株式型と新株予約権型の2種類に分けられる。FUNDINNOやGo Angelは普通株式型、エメラダ・エクイティは新株予約権型だ。

投資家の8割は20〜40代のサラリーマン

 普通株式型は、言葉どおりクラウドファンディングを通じて個人がベンチャー企業の株式を取得し株主となれるもの。前出の大浦氏によると、「投資家の80%は20~40代の若年層。平均年収も1000万円以下が50%と、普通のサラリーマンが投資しているのが特徴」だという。 「一般的に株主に認められる権利を全て行使できるという点が普通株式型の一番のメリット。しかし、上場企業の株式のように取得した株式をすぐに売却できないというデメリットもあります。売却できるのは当該のベンチャー企業がIPOした場合、またはベンチャー企業が買収された場合のみです」とは株式投資スクール「マナカブ・com」代表の中山まさかず氏。  だが、FUNDINNOは提携しているみらい証券の株主コミュニティを使うことで株の売買が可能だ。
株式投資型クラウドファンディングは2種類に分かれる

株式投資型クラウドファンディングは2種類に分かれる

 一方で新株予約権型。エメラダ・エクイティが運用するこちらの方式は、普通株式とは異なり、買うのはあくまで“将来普通株式に転換できる権利”。株式に転換できる事象が発生した際に権利を行使し、株主になれる仕組みだ。 「エメラダ・エクイティは、その権利行使時期を行使期間10年間の中で上場承認以降もしくは最後の1か月と設定しています。権利を行使し、株式を取得した場合は普通株式型と同様の取り扱いとなります」(中山氏)  だが、なぜ株式ではなく、“権利”に投資するのか。 「理由は2つ。新株予約権は一般的にコールオプションの権利に相当する金額部分のみが支払金額となるため、安く購入できるから。加えて、あくまで“権利”であるため権利行使するか否かに関しても個人投資者が自由に決められるからです。一方、実際には株式を取得していないため、一般的な株主が可能となる決算書の入手や株主総会への参加といったベンチャー企業への意思決定に関与できないというデメリットもあります(表2参照)。さらに、企業が清算になり残余財産があった場合、株主であれば残余財産の分配によりわずかではありますが投下資本の一部を回収できますが、新株予約権の権利者はその権利がないため投下資本の回収はできません」(同)

社会解決型の企業に高い注目が集まっている

 トータルで考えれば、普通株式型を買うのが無難だろう。2018年はさらに資金調達をするベンチャー企業が増えることは間違いない。たとえば、直近の募集状況を見てみると、現在FUNDINNNOでは、株式会社JAMがSURIMACCAという個人が気軽にオリジナルの印刷物を作れる印刷ツールと作業場を提供するための費用の資金募集をしている(2018年1月11日現在)。

株式会社JAMでは個人が気軽に印刷物を作れるツールを全国に広めるための資金をFUNDINNOで募集した

孔版印刷で印刷することで独特の色味が出る。JAMはこれを「レトロ印刷」と名付けている

 同社はデジタル孔版印刷機の特徴である印刷時にインクが落ちる、スレるといった弱点を“強み”に変えて成長してきた企業だ。 「印刷業界では嫌われることが多かった孔版印刷独特のスレやムラが、ある日クリエイターさんにとても喜ばれることがわかったんです。それ以来、クリエイターさんの間で口コミで情報が広まって、あえて孔版印刷機を使ってデザインをしたものを印刷したいというオファーが入るようになりました」  現在、同社はFUNDINNNOで孔版印刷機の中でも”ガリ版”と言われるシルクスクリーン印刷を使った作品作りが全国でできるための資金を募っている。 「全国各地にフランチャイズ制度のようなしくみでアトリエを設置し、若者や高齢者、子どもたちに気軽に孔版印刷機を使ってもらうための印刷機の購入資金のために株式投資型クラウドファンディングを始めました。孔版印刷機では布や紙など様々なものを印刷できます。バッグやTシャツ、学生さんなら学園祭用のクラスシャツ作りなどにも活用できるでしょう」  もちろん未上場のベンチャー企業への投資なので、必ず儲かるわけではないが、出資先がIPOすれば大儲けすることも可能だろう。話題の仮想通貨もいいが、株式投資型クラウドファンディングにも注目してみてはどうだろうか? 中山まさかず氏【株式投資スクール「マナカブ.com」代表 中山まさかず氏】ブログ、メルマガなどで銘柄選び、売買手法、トレードを行う上で必要なメンタルの保ち方を情報発信。2012年より株式投資スクールを開講 取材・文/SPA!編集部 図/ミューズグラフィック
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