RENA ツヨカワから「コワカワ」へ!? 「顔面踏みつけ」も余裕、大みそか決戦への秘策
総合格闘技RIZINが発足し、大みそかの格闘技イベントが復活して3年目。男女ともが興奮するガチンコスポーツの祭典として、彼女の存在は“絶対”だ。入場テーマ曲は、エイジアエンジニアの「絶対負けない!」。ポップなサウンドに合わせて、RENAはアイドルさながらの登場をみせる。それでいて、ひとたびリングに立てば、戦慄が走るような強烈な打撃で相手を仕留める。
「もう『ツヨカワ』じゃなくて『コワカワ』だよ!」
と統括本部長の髙田延彦氏も、バリトンボイスを響かせるように強調したほど。RIZIN初年度の2015年に総合格闘技デビューし、シュートボクシング界の女子エースから、総合でもナンバーワンのスターとして君臨する女王RENAに、大みそかのトーナメント出場について、そして試合後の“ご褒美”まで、話を聞いた。
さいたまスーパーアリーナで行われる、大みそかのRIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017。RENAが出場するのは、31日の女子スーパーアトム級トーナメント。同トーナメントは、10月15日に1stラウンドが行われ、RENAはアンディ・ウィンを鮮烈な左ボディで沈めて完勝したが、大みそかではRENAを含め、出そろった4選手(RENA、アイリーン・リベラ、マリア・オリベイラ、朝倉カンナ)で、準決勝、決勝を戦い、頂点を目指す。
女王RENAのトーナメント制覇は、“絶対”のシナリオだ。ファンの誰もがそれを期待し、本人も「“絶対”に優勝します」と公言してはばからない。プレッシャーや気負いのような、重い雰囲気もあるかと対面したが、入場イメージさながらに、彼女は軽やかで、自然体でそして可愛い。
シュートの女王RENAの試合は、打撃がぞくぞくするほど美しく華があって、ドラマティックに面白い。
10月に行われた同トーナメント1stでは、相手ウィンがRENAの左ボディを受けると、苦痛に顔をゆがめてしゃがみ込んだ。レフェリーストップのTKOとなり、試合直後にRENAがウィンに駆けよって挨拶しようにも、ウィンがあまりの痛さ苦しさにいらだちも露わにした姿が印象に残る。
髙田本部長に「コワカワ」と言わしめたのは、この左ボディともう一つ、「踏みつけ」のシーンだ。4月の大会で初代HFCストロー級王者ドーラ・ペリエシュとの対戦でのこと。RENAは、腕十字を取られかけたのを逃れると、スイッチオン。コーナーで戦慄の「顔面踏みつけ劇」をみせたのだ。
「腕十字を取られかけて、何かが切れて、ちょっと踏みつけを(笑)」と、同一人物とは思えない愛らしい笑顔をのぞかせながら語る。「人の顔面なんて踏めないって思っていましたけど、人の顔面を踏んでも死にはしないなと思って。なんか吹っ切れた感はありました」と天真爛漫だ。
そもそもRENAが総合格闘技のトレーニングを始めたのは、まさに総合デビューした同年(!)。2か月足らずの練習で、総合デビューして勝利。以来、負けなし街道を突き進んでいるものの、本人も当時を振り返って「よう、あんなんでデビュー戦でたなと思います。なんもできひん(かった)のに」と素の大阪弁で、屈託なく話す。
それから2年。驚くほどの進化を遂げているRENAは、トーナメント決戦に向け、グラウンドと打撃の練習を今、8対2ないしは9対1ぐらいの比率で行っているという。
「(未経験だった)グラウンドは、できなかったことが出来ていくのが楽しいです」とRENA。プレッシャーも「正直あんま考えてない。勝負なので、勝つか負けるか。どうなるか分からないけれど、たとえ負けても新たなストーリーがある。絶対に勝ちたいって思って試合するけれど、自分が納得できるほど練習して、それを試合で出せればいい」。どんな運命も結果も、RENAを強くする期待しか感じられなかった。
「人の顔が踏めるなんて思いませんでした」
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「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 バンタム級トーナメント&女子スーパーアトム級トーナメント 2nd ROUND/Final ROUND」
2017年12月29日(金)及び31日(日)
さいたまスーパーアリーナで開催
チケット等は大会事務局(http://jp.rizinff.com/_ct/17095632)まで
【テレビ中継】
<フジテレビ系列全国ネット>
放送:2017年12月31日(日) 18:30~23:45
<スカパー!>
29日、31日ともにPPVノーカット完全生中継!
料金:PPS/PPV
「RIZIN 12.29」「RIZIN 12.31」各2,000円(税別)
「RIZIN 12.29&31 2日間通し券」3,000円(税別)
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