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プラスチック海洋汚染に殺される生き物たち――世界ではレジ袋の使用禁止を決めた国も

プラスチック使用禁止を決めた国々

 このように生き物に被害を与えているレジ袋やペットボトルに対して、日本では石油由来のプラスチック規制は行われていないが、世界では使用禁止を決めた国も数多い。国際環境NGO「グリーンピース・ジャパン」の広報担当、土屋亜紀子氏に各国の状況を聞いた。 「例えば、米国サンフランシスコ市は’07年にプラスチックのレジ袋を、’14年にはプラスチックボトルを市の施設内で使うことを禁止。さらに’16年には、食料品のパックとして使われているスチロールを強制的に禁止しました。ホノルルやロサンゼルス、ポートランドなど、米国では自治体単位で規制が進んでいます。さらに米国では’15年に化粧品へのマイクロビーズの配合を禁止する法律が成立。そのほか国単位で規制しているのは、フランス、エチオピア、モロッコなど。徹底しているのはインドのカタルナーカ州です。’16年に、プラスチックを完全に禁止、厳しく取り締まっています。州都バンガロールでは、規制を始めて4か月で、3万9000kgもの違法なプラスチックが押収されました」  土屋氏が挙げた例はほんの一部で、世界では急速にプラスチック使用の規制が進んでいるという。規制のない日本で、我々ができることはあるのだろうか? 「マイバッグやマイボトルを持って買い物をするなど、不要なプラスチックを拒否していくことが大事です。レジ袋、コーヒーの紙コップについているプラスチック製の蓋やマドラー、ストローやスプーンなど、不要なことも多いですよね。そうした小さな削減を積み重ねていくことが、汚染を減らすために大きな効果となると思います」
世界的[プラスチック海洋汚染]の実態

日本のプラスチックのリサイクル率は世界的にも高水準だが、一方で排出するごみの量も多い。まずは使用量を減らすことが求められている

取材・文/北村土龍(本誌) 写真/高田秀重
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グリーンピース・ジャパン「プラスチック・フリーの」暮らしをつくろう!
http://plasticfreelife.jp/
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