ZOZOスーツだけじゃない イヤホンもオーダーメイドの時代に!?
2018年現在、服を買おうと思ったらS、M、Lというサイズで購入するのが一般的だろう。オーダーメイドやフリーサイズの服も存在するが、大量生産化による低コストを実現しているSPAブランドがシェアを大きく閉めるファッション業界ではこの3サイズでの生産がもっとも主流と言える。
そんな中、昨年アパレル業界に革命を起こす衝撃的なサービスが登場し、世間を騒がせた。
2017年11月、ファッション通販サイトZOZOタウンを運営する株式会社スタートトゥデイが発表したZOZOスーツがそれだ。
このZOZOスーツ、消費者の体型に合わせてスリーサイズはもちろん、首周りや腕の太さなどあらゆる服のサイズを計測し、登録できる代物。ZOZOタウンでアパレル商品を購入時、スーツに登録した自身の体型とフィット感を確認して購入を判断できるのだ。
また、3Dプリンタの普及により、今後はこうした自身の体型に合った服を簡単に作れるようになる可能性は高い。ロットが少ない商品でも、従来よりも安いコストで服を生産できるため、オーダーメイドが容易になる。その結果、自分に合った“ぴったりサイズ”の服を身につける人が増えていくことは間違いないだろう。となると、今後は、S、M、Lといった服のサイズが非常識になる可能性は高く、2020年の東京オリンピックではこうしたオーダーメイドのユニホームを着用する選手がかなり増えそうだ。
つまり、これまで作り手側の都合で規格化されてきた我々の肌身に触れる商品がすべて「あなただけのため」に開発されるようになるのだ。
実は、服以外にもそうした“ピッタリ化”が進んでいる製品がある。服以外に我々が肌身離さず身につけているものの一つ、イヤホンだ。
こちらのVIE FIT(ヴィー・フィット)なる製品は、肌に触れる外装すべてに柔らかいシリコンを使うことで一人ひとりの耳の形状に合わせてイヤホンを装着できる。
長年、イヤホンのデザインや素材は変わらないままだったが、ここに来て大きな革命が起きようとしている。
「実は、この10年ほど、イヤホン業界は年に20%ほどの成長が続いています。最大の理由はスマホの普及。音楽だけでなく、ラジオやオーディオブックなど音声コンテンツの市場が拡大したことで、スマホの買い替え時の需要も含めて高価格帯のものから運動時に使えるものまでバリエーションが増えているのです」
そう語るのは、VIE FITを開発したVIE STYLE株式会社のCEO・今村泰彦氏。
同氏によると、イヤホン市場は年々拡大してきているにもかかわらず、その外装はプラスチック製のまま変わらなかったという。これが一つの問題を引き起こしていた。
「イヤホンは2時間も装着していれば次第に耳になじまなくなり痛みが出て来るという問題が起きていました。しかし、肌身離さず装着するものは、長時間着けていてもストレスがないものであったほうがいいですよね。ユニクロのエアリズムしかり、素材が限りなく人間にとって自然かつ違和感のないものであったほうがよいのは言うまでもありません」
イヤホンもオーダーメイドの時代に
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