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仮想通貨1000万円を盗まれた件、打ち明けられた母親は何を答える?――「お金0.0」ビットコイン盗まレーター日記<第4回>

 約1000万円近い仮想通貨を盗まれた出野達也(23歳)は110番通報するも警察に取り合ってもらえない。「直接話せば!わかってもらえる!はず!」と朝の新宿を警察署へ全力疾走……するも、若さと勢いは簡易取調室でも空回り。刑事さん、僕を見捨てないでください。せめて被害届だけ、出させてください。「お金0.0」、連載の第4回です。

仮想通貨で1000万円稼いだ若者を襲った悲劇のお話 第4回 「ウンちゃうわ、説明せえ」

――――先週からのつづき

刑事「お待たせしました!」

僕「うぉっお、あ、はい。」


刑事「今ね、知能犯担当がちょっと外しててね。直接話ができ次第、すぐに連絡します。
申し訳ないけど、こちらから電話するので連絡先教えてくれるかね?」

僕「あの・・・、被害届は?」

刑事「今ね、知能犯担当と電話で話したんだけど、伝わりにくかったので彼が署に戻り次第、話をします」

僕「・・・被害届は?」

刑事「申し訳ないけどね、知能犯担当と話してからになりますね。必ずお電話しますから!」

僕「今は、難しいということですか」

刑事「申し訳ないね、手続きの順番があるからね」

僕「はあ・・・電話で被害届って出せるんですか。」

刑事「それはねー、できない。また来てもらうことになりますね。では、電話しますので!」

僕「……わかり…ました」

――――――――

被害届 is 出せない。

エレベーターホールに残された僕は刑事さんの背中を見送って、また詰んだ。

僕は、ゆっくりと立ち上がり、エレベーターのボタンを押す。

しばらくするとドアが開き、狭いエレベーターの中には警官がギッシリ詰まっていた。

1人分の空間を作ってもらい、ドアが閉まる。静まり返る空気、背後に感じる好奇の眼。

みなさま、僕の人生、下にまいります。

GUESTパスを返却して警察署の外に出る。溜め息は白く、野村ビルの向こうには朝焼けが滲みだしている。

仮想通貨を買うために借りたお金は、

母から   100万円
叔母から  100万円
弟から   50万円
親友から  50万円

合計    300万円

そしてクレジットカードのショッピング枠で仮想通貨を買ったので、90万円のリボ払い。

払えない。エキストラのバイトと居酒屋で働いて返せる額じゃない。

さっきまで1000万円あったのに。

牛角も叙々苑もおいしかったな。

京王プラザホテルの久兵衛、最高だったな。

朝焼けきれい。みんなになんて言えばいいんだろう。

ビットコイン盗まレーター日記

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