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外国人アルバイトに教えられたこと――「お金0.0」〈第30回〉

 約1000万円の仮想通貨を盗まれた出野達也(23歳)。人生を波乱万丈へと誘う首謀者・Aに誘われ、六本木の社長人脈が集う西麻布の地下のお店で働き始めた出野に下された次の指令は、人力車のバイトを完全歩合ですること。「お金0.0」、連載30回目。バイト先の飲み会で酔いつぶれた出野に声をかけてきたのは……?。

第30回 タッキュウ

——-先週からのつづき

同僚B「おら達也!飲めぇ!」

達也「むりっす…だめっす…ぼくもういやなんすよぉ…」

同僚B「イヤじゃねぇっつの!これくらい飲めよおまえぇ!」

達也「いや、お酒のはなしじゃないんれす。僕のバイト先を適当に決めてる大人たちがいて、こないだなんか人力車やる前にホストクラブとかも行ったんですけど、行ってみたら3日めくらいでほんとにヤバイところだってことがわかって、『あ、これは連載に使えないね。辞めといで。』のひとことで辞めさせるひとがいるんですよぉ!ぼくもうどうしたらいんですかぁ。せんぱい!!!ビットコインなんかぜっっっっっっったいにやっちゃダメですよ!ぼかぁね、ぼかぁ盗まれたあとも希望を捨てられなくて、ちょっとだけ残ってたお金を別の取引所で仮想通貨に替えたら今度はそのまままた凍結されました。ダメ。ほんとダメです。仮想ですから。これからは円の時代ですって!仮想!だめ!!!」

同僚B「お、おう」

同僚A「しっかしあれだな。真面目に働いてる俺らからしてみたら、こうしてあぶく銭失ったヤツが目の前で泥酔して泣き言いってるってのは、どんなツマミよりも酒が進むな」

同僚B「自分もそうおもいます。馬鹿ですねこいつ」

達也「きこえました…よ…」

同僚B「おっ、そうか」

達也「あのね。じゃあ僕も言わせてもらいますけど、わざわざ世界中から観光に来てくれた人をカネにしか見えないって言うのはおかしいんじゃないですか?」

同僚A「ん?」

達也「みんな良い思い出持って帰ってもらったほうがいいに決まってるじゃないですかぁ…。なのになんで、カネにしか見えないって言うんですかぁ…ヒック」

同僚B「そりゃおまえ、カネにしか見えないんだからしょうがねぇじゃん。俺たちは人力車屋の車夫なんだから、乗ってくれなきゃ話になんねぇよ」

達也「チガーう!!!」

同僚A「なんだ。いってみ」

達也「ぼくは!少なくともぼくは!!車夫である前ににんげんなんです!!!だから、せっかくいろんなとこから来てくれた人にも良い気分で帰ってもらいたい!ダメモトで声かけて、無視されてすぐ次行ってなんてのはダメなんです!それじゃよのなかが!すさむ!!!…」

同僚B「倒れた」

同僚A「倒れたな。ほっとこう。店に迷惑かかるから外に出して置いていこう」

先輩「そうしよう。じゃあせーの」

全員「ごちそうさまでしたー」

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店員「アノー…」

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