更新日:2022年12月17日 22:23
仕事

接待と気づかないで忖度された結果、失脚した男の末路――歌舞伎町10億円女社長

税理士のAさん、自営業のBさんのお話

 Aさんは一部上場企業に勤める税理士でした。国税庁に勤めていた経験があったことから「脱税スレスレの節税ができる税理士」として有名でした。  自営業のBさんは、歌舞伎町のスナックで偶然Aさんと出会いました。  Aさんの節税手法にびっくりしたBさんは、具体的な話を聞かせてもらう代わりに飲み代をおごるという行為を繰り返していました。  やがて、私が経営するアップスにもAさんとBさんが飲みに来られるように。Bさんは「Aはすごい技術力を持っているんだよ」といつもご機嫌に自慢していました。  そして派手にシャンパンを振る舞っては「こうやって飲めるのもAさんのおかげだ」と喜んで、Aさんにおごっていました。  アップスに初めていらっしゃってから半年くらい経ったころ、Bさんの会社に税務調査がはいりました。

ピンチのBさんに、Aさんが取った行動は?

お金 当然ように、BさんはAさんに泣きつきました。  しかし、実際、税務署への対応となると、Aさんは上場企業のサラリーマン税理士にすぎません。Bさんを救うためにはAさんが個人でBさんと契約するか、勤務先の会社を通じて契約を結ばないといけません。  会社を通すと、今までBさんに忖度されていたことがバレてしまうので、Aさんは法人契約を頑なに拒否しました。  そんな保身にはいるAさんに対し、Bさんの怒りはどんどん強まっていきました。  結局、Bさんの追徴課税は2億円になりました。毎日のように飲み代で散財していたので手元にほとんどお金は残っていません。融資してくれる銀行もなかったので、破産という形をとるしかありませんでした。  Bさんは、破産したのはAさんのせいだと思い、何度も何度も電話をかけました。それでもAさんは「自分に責任はない」の一点張りで、相手にもしませんでした。

「Aと刺し違えて心中する覚悟だ」

 とうとうBさんは「俺は会社もなくなったしもう怖いものはない。俺を追いやったAと刺し違えて心中する覚悟だ」と強硬手段に出ます。  Aさんの会社に乗り込み、接待していた事実を洗いざらいぶちまけたのです。  Aさんと一緒に行ったキャバクラやスナックの領収書、海外にキャバ嬢の彼女と一緒に旅行に行ったときの写真、売春の店での動画、Aさんが買春したホテルの領収書が動かぬ証拠となりました。  会社は、Aさんが接待を受けていた事実を重く受け止め、処分をくだしました。Aさんは会社をクビになり、ついには税理士資格も剥奪されてしまったのです。  Aさんはたまたま不運だったと思いますか?  Aさんは割り勘とはいかないまでも、たまにはBさんにおごっておくべきでした。キャバ嬢と旅行に行きたいなら単独で行くべきでした。
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バランスを崩さないためにも「自腹」で飲むべき
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新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ。著書『劣等感を力に変える 成り上がる女の法則』が発売中

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