僕のどこが面白いのかわからない――「お金0.0」ビットコイン盗まレーター日記〈第13回〉
2月19日 16:00
連載第一回公開日
連載開始当日、昨晩から一睡もできなかったので、お昼寝をたくさんした。
お昼寝から目覚めると午後3時。ちょうどいい。すぐさまSPA!をチェック、まだか。
部屋をぐるぐるまわる。1分後、まだか。ベッドに座り、目をつぶり、この1ヶ月の出来事を思い出す。
ビットコインが盗まれる前の僕は一時的にお金に余裕があったけど、Aさんが言うような物語のある人間ではなかった。
iPhoneXもApple Watchも買ったし、お寿司も焼肉も行ったけど、いかにも貧困な発想からひねり出したような買い物で、こうなった今、頼れる友人が誰もいないということは、つまりそういうことだろう。
この連載も僕の人生も、どうなっていくのかまったく見当もつかないが、なんとか飽きられないように面白いほうを選んで進んでいこう。それがいまぼくにできるさいg
ピコーン
A
「公開なったな」
!!!!
僕
「ほんとだ!ありがとうございます!」
A
「どこまで見てもらえるかたのしみねー。ではのちほど!」
僕
「はい!!!」
webで記事が公開されたとはいえ、誰かが見ているという状況はまったくわからない。
ほんとに見られてるのかな。
A
「たつやー」
僕
「はい!」
A
「タカポンがRTしてくれた。あとDMM片桐くんも」
僕
「え!!!??」
A
「伸びてるね」
https://twitter.com/search?f=tweets&q=バイトなんてバカバカしい%20spa%20&src=typd
凄い。凄すぎる。
僕の物語をこんなにたくさんの人が読んでくれている。あれ?でも…え…?あー…れ?
僕
「Aさん」
A
「なぁに?」
僕
「【面白い!】と言ってくれてる方が1割【自業自得】と言う方が2割【タダの馬鹿】とおっしゃる方が3割、無言RTの方が1割といった感じなのですが、つまるところ、僕は自業自得のタダの馬鹿。ということでよろしいでしょうか」
A
「比率的な評価から言うとそうかもね。ただ、そういうことを言う方々は物語を持っている者に対して常に妬みの感情があるので、これから先も熱心に読んでくれるファンだと思います。逆に彼らから何も言われなくなったらそのときは…」
僕
「そのときは…」
A
「オワコン」
僕
「………」
A
「あ、それはそうと、今日Bさんと銀座のバーで飲むんだけど、来る?」
僕
「え!?いきます!!!!!!!!!」
A
「もうひとり来るけど、まぁ、現地で紹介する。ヌハハハハハ。」
次号へつづく
(いでの・たつや) 1994年、兵庫県生まれ。元かけだし俳優、高校卒業と同時に上京。文学座附属演劇研究所卒業後、エキストラ出演やアルバイト勤務を華麗にこなし、たまたま仮想通貨で得た大金を秒速で盗まれる。Twitterアカウント(@tatsuya_ideno)
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