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資産0円は幸運なこと――「お金0.0」ビットコイン盗まレーター日記〈第10回〉

―[「お金0.0」]―
 約1000万円近い仮想通貨を盗まれた出野達也(23歳)は、50万円を出資してくれた親友に、盗まれた事実をついに打ち明ける。連載始まって以来のシリアスな展開に緊張感が走るも、楽しんでるようにしか見えない謎のオトナA、Bとのグループチャットは今日も続く。「ヒマなオッサンのオモチャにされてたまるか」とイラ立つ出野であったが……。「お金0.0」、連載10回目。A、Bの正体がおぼろげながら見えてきます。 仮想通貨で1000万円稼いだ若者を襲った悲劇のお話 第10回 カールビンソン級 ——-先週からのつづき たくさん食べていっぱい飲んだ。沈黙が怖くてたくさん飲んだ。どんなことばを伝えたところで何のなぐさめにもならないし、この人からお金を借りて盗まれたのは僕なんだ。その事実の前ではどんな言葉も安っぽくて、気の利いたことを言おうとすればするほどつらくなる。 親友「あのね出野くん」 僕「は、はい」 親友「俺な、嬉しいんだよ」 僕「え?」 親友「出野くんが、色んなところに連れて行ってくれたり新しいこと教えてくれたりしてうれしいんだ」 僕「…」 親友「だからさ、きにすんな。若いうちは失敗することも多いだろ。でもな、それは若さの特権だ。もっと失敗してこい。脇が甘くて失敗するのはよくないけどな!はは!」 僕「ほんとに…すいません。」 親友「じゃ、お会計」 店「ハ~イ」 ——– —— —- その頃… A 「スギナミさん。僕が教授をしている某オンラインサロンで、ビットコイン盗まれたっていうコがいて、どうやら返ってきそうにないのでもし連載から書籍化の可能性がありそうならば一度会ってやってもらえますか?」 スギナミ 「了解です」 A 「アリガト。じゃあ彼が書きなぐったいままでのエピソードとか時系列でもらってるので、のちほどチャットログ転送しますね。Bさんと3人で進めてるので、ゆくゆくは漫画化もできればとおもってます」 スギナミ 「了解しました。おまちしてます」 ——– —- — スギナミ 「お、おもしろいですねぇ…編集長も交えてぜひ一度打ち合わせを」 A 「了解。本人にもそうつたえます」 ——— —- — 1週間後。 この1週間、僕は追い詰められているにも関わらず、世の中は何も変わってない。 いや、逆に世の中が変わってないからこそ僕だけが落ちぶれた気がして、何も変わってない人たちにそれを告げても何も解決しないので、AさんとBさんのいるチャットグループで毎日の生活を送っていた。 僕 「ラジオ体操に行きました!」 A 「イイヨイイヨー」 B 「健康は大事ですね」 僕 「高尾山に登ってきました!」 A 「イイデスナー」 B 「元気ですね!」 僕 「文鳥が…1羽…しにました…」 AB 「オー」 など。 他愛もない僕の日常にいつも付き合ってくれるAさんBさんは、何してるかわからないけど僕よりヒマみたいだ。いつも10秒以内に返事がくるし、なにより真面目さが伝わらない。 お金に困ってないみたいだけど、きっと縁側で将棋でもしてるんだろう。あるいは夕方からホッピーでも飲んでるんだろうか。そんなオッサンでも、気楽な身分がうらやましい。 はぁ…。 このままこの人たちの言う通り、なんでもない僕の毎日を彼らに送ったところで、本当に助かるんだろうか。 A 「そういえばさ、コインチェックなんかたいへんみたいだね」 僕 「え!あ、はい。そうですね!」 A 「達也よかったねぇ。盗まれるもんがないってのは気楽で」 B 「ホントですね。おもしろいものを作ることに集中しましょう」 僕 「それが…」 A 「ん?」 僕 「さいご……手元にあったお金…40万円ほど……ぜんぶ…」 A 「まじ!?wwwwwwwww」 B 「持ってる」 A 「えぇ。持ってる。我々の想像の遥か上を行っている」 B 「達也くん、さすがにそっち系のエピソードはお腹いっぱいなので、着実にいきましょう」 A 「いやーBさん、それがコントロールできてたらこんなことになってないですって」 B 「それもそうですね(^^)」 A スタンプ B スタンプ
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そこらへんのオッサンのおもちゃにされてたまるか
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