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仮想通貨盗まれた男、編集部を訪れる――「お金0.0」ビットコイン盗まレーター日記〈第11回〉

 約1000万円近い仮想通貨を盗まれた出野達也(23歳)。オンラインサロン上で知り合ったAとBは出野をオモチャにして楽しんでるようにしか見えない……が、実は2人が有名実業家であることを知り驚く。なぜ、この人たちは僕に付き合ってくれるのか? 謎を解明する間もなく、Aから「連載を開始するから、編集部へ打ち合わせに行け」の指令が下された!「お金0.0」、連載11回目。仮想寄りだった出野の人生が現実世界に近づいてきました。

仮想通貨で1000万円稼いだ若者を襲った悲劇のお話第11回 逃げちゃ駄目だ

——-先週からのつづき

A
「んー。達也はアレだな。」

呼び捨てが定着した…。


「はい?」
A
「カールビンソン級のバカでよろしい。」

「!!!」

B
スタンプ
A
スタンプ

またスタンプ送り合って盛り上がってる…。

A
「あのね」

「はい」
A
「何かを疑うときは、自分に資産があるときくらいでいいんじゃない? いまは幸運にもなにもないんだから、得るものしかない。世の中にハンパに賢い人はめちゃくちゃ多いけど、ハンパに賢い人ほど助け甲斐のない奴もないから、僕らは見向きもしないんです」
B
「カールビンソン級はレアですね」
A
「333mあるからね。デカい」

「ありがとう…ございます…」
A
「あ、そうだ。言い忘れてた」

「はい?」
A
「SPA!の編集者、スギナミさんに達也とのやり取りを送っておいたから、近々日程調整して編集部で打ち合わせしてきて」

「へ?」
A
「へ?じゃない。連載を開始します」

「え!!!!????」
A
「シーン」

——–

——

—-


ビットコインを盗まれてから、22日め。なぜか僕は巨大なオフィスビルの前に立っている。

Aさんの紹介でメールのやりとりした人は、すでに僕とAさんBさんのチャットの内容を読んでいて、

「悲劇の中に疾走感とユーモアがあり、惹き付けられる文章です。AさんBさんの合いの手がそれを引き立てますね」

と言ってくれた。

署名を見ると編集長。いったい何が起きているんです?

僕いま、ほんとになにもないですよ。そう思いながら返事を考えてたら、立て続けに担当のスギナミさんからもメールが来た。


「遅ればせながらチャットログ、拝読しました。面白いですね。役者の卵が仮想通貨? オンラインサロン? どうやって借りたの? 冒頭から気になる「なぜ」が多く、非常にツカミのある作品になると思います」

面白いと言っていただけるのはありがたいとは思います。でもこういうとき、どんな顔すればいいかわからないの。


「ありがとうございます!打ち合わせ日程!僕はいつでもかまいません!」

なけなしのカラ元気をふりしぼった。


「ありがとうございます。明後日、31日(水)15時以降でどうでしょうか?」

「わかりました!」

と、そんなやりとりを経て、いまオフィスビルを見上げて立っている。

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いよいよ編集部へ

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