熟女モノばかり売れるアダルトDVD、客の高齢化がすさまじい
前出の亀井氏も口を揃える。
「ここ数年で、爆発的に売れているのが40~50代の素人熟女さん専門の『センタービレッジ』の作品です。大きなモニターでサンプルを流すなど売り場づくりをしっかり行ったら、ニーズが埋もれていた部分を掘り起こせた。お客さまにとって、ある意味リアルな女性像なのでしょう」
現在、利根書店は地方の小規模店のフランチャイズ化やコンサルティングに力を入れている。それは、ひとつの地域から1店舗のアダルトDVDショップがなくなってしまうことで、性の娯楽を失った“高齢者エロ難民”が数千人単位で生まれることに危機感を持っているからだ。
性の楽しみは、食や睡眠と等しく、人間の根源的な欲求のひとつである。その欲望を十分に満たせないことはQOLの低下に繋がる。アダルト娯楽は、高齢者の心身の健康を保つため、ひいては医療費削減に繋がる可能性もあるのだ。
6月下旬に、青少年に有害な図書を自販機で販売したとして無人店舗チェーン「こっそり堂」が摘発された。22都県に設置された1357台の自販機で、年間約4億4000万円もの売り上げがあったという(「朝日新聞」6月21日付)。DVDや雑誌などのエロコンテンツはいまだに需要があるのだ。だが、店舗にかかる家賃や人件費などを考えると、工夫なくしては存続するのは厳しいだろう。
アダルトDVDショップは、消えゆく平成のエロ遺産になってしまうのか。それとも、形態を変えて復活することができるか――。
<取材・文・撮影/オフィスキング>
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