恋愛・結婚

真夏のゴキブリが恋のキューピッドに!? 僕が深田恭子似の彼女と付き合えた理由

深田恭子

ゴキブリが恋のキューピッドに!?

 それからというもの、普段からLINEでもやり取りするようになった2人は急接近していく。 「なんで彼氏に来てもらわなかったのか聞いてみたら『もちろん、真っ先に助けを求めたけど、彼もゴキブリが怖くて触れないっていうから』とのことでした。彼は、色白イケメンで子どもの頃からゲームばかりしているタイプらしく。僕とは真逆だなと思いましたね。こっちは顔面偏差値は低いし、子どもの頃なんて虫取りして魚釣りして真っ黒になって遊んでいたから、ゴキブリぐらい余裕ですよ」  その後は、彼氏の愚痴を聞いたり、ゴキブリが出るたびに駆けつけたりする関係がしばらく続いた。 「ある日再び、彼女から深夜にLINE電話がきたんですよ。『ゴキブリが3匹同時に出た!』ってSOSだったので、またすぐに駆けつけてササッと退治したら、彼女が床にへたり込んで、こんなこと初めてだって。『もしもゴキブリが大量繁殖していたらどうしよう。部屋にいても落ち着かないし、眠れない……』と不安がっていたので、勇気を出して僕の部屋に誘ってみたんです」  幸い小林さんの部屋は、今まで1度もゴキブリが出たことはなかったそう。 「彼女、明日仕事に行くときの服やら化粧品やらバッグに詰めて僕の部屋に来てくれたんですよ。嬉しかったなぁ。彼女に『ここならまず100%ゴキブリは出ないし、もし何かの間違いが起こって出たとしても僕がすぐに退治するから大丈夫だよ』って伝えたら、安心して眠ってくれたんです」  翌朝、小林さんは彼女に「ゴキブリが出たり、心細くなったときはいつでもここに来てね」と合鍵を渡し、2人はそれぞれ仕事に向かった。 「その晩、彼女が寝てくれた僕のベッドで横になってニヤニヤしていたら……いきなりドアがガチャッと開いて彼女が入ってきたんですよ。僕、気を抜いてパンいちでTシャツ姿だったもんで、慌ててスウェットを履いていたら、背後から彼女に『今、彼氏と別れてきました』と言われたんです。本当にドキドキが止まりませんでしたね」  そのまま2人は付き合うことに。彼女は、どんなときでもすぐに駆けつけてくれる小林さんに頼もしさを感じるようになり、いくらイケメンでも困っているときに助けてくれない彼氏には、もうウットリ出来なくなってしまったんだそう。  平凡な自分が美女と付き合えることになり、現在は夢みたいに幸せだというが、不安がないわけではない。 「冬になって寒くなりゴキブリが出なくなったら……また彼女がイケメンに走ってしまうんじゃないかと心配で。でも、これは神様がくれたチャンスだと思うので、それ以外の部分でも彼女に愛してもらえるように頑張ります。それにしても、正直ゴキブリにはマジで感謝してますよ(笑)」  普段は忌み嫌われているゴキブリだが、まさか恋のキューピッドになってくれるなんて。小林さんには、ぜひこのチャンスをものにしてゴールインまでいってもらいたいものですね。<取材・文・イラスト/鈴木詩子>
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。
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