SNSにしか居場所がない家出少女たち…路上にもいられない理由
熱中症の死者が過去最多を記録するなど、歴史的な酷暑となっている今夏。毎年のように週刊誌やワイドショーで特集される家出少女たちの生態に異変が起きている。
居場所を失っていく家出少女たち
異例の酷暑に襲われる家出少女たちが路上から姿を消し、イートインなどを渡り歩いているという。だが、暑さだけが原因ではない。NPO法人BONDプロジェクト代表の橘ジュン氏は、彼女たちが「路上にいづらくなっている」理由を次のように分析する。
「全国各地で青少年保護育成条例が導入され、未成年はカラオケやファミレス、ネットカフェにいられなくなってしまった。彼女たちにとって、今はますますスマホが命よりも大事になっています」
家庭や学校に居場所がなく、街中にもいられない……。そんな家出少女たちの内面も変化している。
「そもそも虐待などは外部からは見えない。以前であればいわゆる“アウトロー”のような生き方に走るコが多かったんですが、現在は“フツー”に見られたくてしょうがないんです。学校での成績も良く、心に傷を負っていても表には出てこない。自己表現の仕方がまったく変わりました」
可視化されにくくなっても、問題があることには変わらない。抱えきれなくなった思いを共感の得やすいSNSにぶつける。そうしてさらなる被害に遭う……。そんな負の連鎖が続いている。
「昨年起きた座間市の9遺体事件でも、容疑者はツイッターで被害者にコンタクトを取っていました。我々に相談しにくるのもSNSで被害に遭ったコばかりです。講演などを行っていると、『うちの街に家出少女はいない』という自治体もありますが、それはいないのではなく相談できないだけ。深夜帯の女性警官を増やす、対応できる専門家を配置するなど、やれることはたくさんあります。無関心は罪。まずは大人が変わるべきです」
【橘ジュン氏】
若い女性の支援をするNPO法人BONDプロジェクト代表。著書に『最下層女子校生:無関心社会の罪』(小学館新書)など
― 酷暑で家出少女に異変アリ ―
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