「2度と顔も見たくない」と言って去った人を取り戻す方法――歌舞伎町10億円女社長
私はびっくりしました。
私はAさんに「接待がんばってくれ」と言われたから、Bさんを大切にしたのです。たしかにBさんもいい人でしたが、Aさんがいなければ、私がBさんと会うことも、お話しすることもなかったわけです。
はじめ、私はAさんに対して強烈な怒りが湧きました。理不尽だとも思いましたし、意味がわからないと思いました。
「そっちがその態度なら上等だ!」と、3日間くらい私も怒っていました。
でも、3日経ったら、7~8年の間にAさんと一緒にいろんな接待をしたことを思い出して、悲しい気持ちになりました。
あのとき、私は「BさんがAさん呼ぼうと話をしてます、どうしましょう?」と機転を利かせ、先手を打って話しておくべきでした。お店やBさん、いろんなことに気を取られてしまった私は、Bさんを傍観する形になってしまっていたのです。
Aさんに電話してみました。着信拒否でした。
ショートメールを送りました。
「私はAさんのことを大切に思っているから接待をがんばりました。AさんよりBさんのことを大切に思ったことはありません」
返事はありませんでした。私は週に一度、自分が思っていることをAさんにショートメールで送りました。返事はありませんでした。
2か月くらい経つと、両者に対して私が思うことは底をついてきたので、このようなメッセージに変化していきました。
「Aさん、私は今日こんなことがありました。Aさんは元気ですか? 体に気をつけてくださいね」
それでも返事はなくて、その後、1年間、週に一度ショートメールを送り続けたけど、返事はありませんでした。私はだんだん不安になってきました。
しかし、1年8か月が経ったとき、Aさんはひょっこり店に現れました。
「この前、ずっと前だけどごめんね」私がそう言うと、Aさんは「そのときのことはもういいから」と言って「仲良くしようね」と言ってくれました。
その後、はじめはギクシャクしていてぎこちなかったけど、数回会っているうちに元の仲良しの関係に戻れました。
私にはわからないですが、その後、Aさんの話を聞くと、どうも男にはプライドというものがあるらしく、普段温和にしているのに、怒った自分を見せてしまったという事実に自分が一番、尾を引いてしまうそうです。
嫌なことをされたというよりも、自分の中でそのことに折り合いがつくまで顔を見せられないのだそうです。でも、私がずっと連絡をくれたことは「すごく嬉しかった」と言っていました。
この一連の出来事は、私の中で大きな自信になりました。
みなさんも日々誤解されたり、相手を怒らせてしまったりすることがあると思います。人間関係のトラブルは未然に防ぐのが一番いいと思いますが、起こってしまったことはもう元に戻せません。
それでもめげずにフォローをずっとし続けて、関係性が戻る人もいれば、戻らない人もいます。いつしか私は、人間関係のトラブルにおいて達観できるようになりました。
私はどこで間違ったのか?
お店にやってきたAさんが放った言葉
人間関係のトラブルは人それぞれ
新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ。著書『劣等感を力に変える 成り上がる女の法則』が発売中
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