お金

価値がある消費は「自分以外の誰かが欲しいと思えるモノ」を買うこと

「腐ってもベンツ」と言われるモノの価値

 これは中古車にも当てはまります。クラウンとベンツとではベンツのほうが程度の良いモノが多いのです。特に内装がキレイなベンツを見つけるよりも、内装がキレイなクラウンを見つけるほうが難しい。クラウンの中古車相場は、けっこう高いのですが、クラウンのことをバカにする人は意外なほど多いのです。一方ベンツは、「腐ってもベンツ」と言われるぐらいありがたがられる存在。高級車としてのイメージがあるので、大事に扱われる傾向があるわけです。「価値のない」と買った人間が意識してしまうと、本来価値があるはずのクラウンのように扱われてしまいます。

筆者の愛車、11代目クラウン・エステート

 よって、「価値のあるモノ」は大事に使うし、「価値のないモノ」はぞんざいに扱われてしまう。ぞんざいに扱うと、程度が悪くなったり壊れたりするので、本来残っていたかもしれない「価値」が余計に失われてしまう。「価値のあるモノ」として意識するからこそ大事に使うわけで、大事に使うからこそ「価値」が残り、他人に売れる。そうして初めて、「価値のあるモノを買う⇒大切に使う⇒高く売れる」という好循環を生み出すことができるのです。

筆者のかつての愛車、35万円で買ったメルセデス・ベンツ230E

 ダメな消費というのは、買った人の使い方も大きく左右します。もちろん、安いモノを長く大事に使えることも、とても素晴らしいことだと思います。ですが、「高く売れるか」という観点では、やはり買う時点で高い価値のモノを買うことが大事です。どの分野の消費にしたって、まずは「自分以外の誰かが欲しいと思えるモノか」というのを意識することが、重要になってきます。  何度も言いますが、消費の額には限度があります。高い買い物をしても、お金が戻ってくることを考えたら、その限界値を超えることができます。つまり、また別の価値のあるモノを買う資金が生まれるということ。  こういった売るために買うという消費を繰り返すと、所得にかかわらず、価値のあるモノを所有できるだけではなく、金銭的にも無駄が生まれないのです。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

1
2
もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

おすすめ記事