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成人式を迎える若者が生まれた時代に発売された高級腕時計は今いくら?

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。そろそろ成人式の時期ですが、今年も新成人の華やかな晴れ着姿が街を彩ることだと思います。  私が調べた限りですが、振り袖の平均予算は40万円前後といったところ。女のコを持つ親御さんの多くが、そのような予算を成人式に捻出しているのには愛を感じます。実際、私が成人式を迎えた10年ほど前でも、クラスメイトの女子のほとんどが振り袖姿で式に臨んでいました。

今回は平成最後の成人式

 しかし、女子にお金がかかっている一方、男子はみな、あまり高級そうではないスーツを着ているのが気になります。女子に平均40万円の予算をかけるのであれば、男子も40万円かけたっていいはずです。  そして、その40万円という予算があれば、一生モノの腕時計を買うことが可能なのです。  似たような記事を2年前にも書きましたが、その際提案したのは、『子供が生まれたら腕時計を買う⇒子供が二十歳になるまでお父さんが使う⇒成人式にプレゼント』という内容でした。  そしてその際、20年前と比較して「値上がり」した紹介した時計は、なんとこの2年の間でさらに値上がりしているのです。  特に、当時300万円台だったパテックフィリップは、現在500万円台となっており、百万円単位で値上がりしている状況です。ですから、腕時計というアイテムは、長年使えるだけでなく、資産という意味でも良い選択だといえます。

「二十歳になったら高級腕時計」という文化が生まれる意味

 40万円の振り袖には、買う選択肢とレンタルがありますが、いずれにしても成人式当日以外には、ほぼ出番はないことでしょう。ですから、たった1日のために40万円かけることになるのです。もちろん、それは、着物という文化を継承するためにも、女のコの喜びのためにも良い文化だとは思います。しかし、振り袖に40万円かけるのが“当たり前”だからといって、もしも男児が「同じ予算で腕時計が欲しい」といったら、それを受け入れる親はあまりいないでしょう。

成人する息子に高級腕時計をプレゼントする文化があってもいいのでは?

 つまり、多くの親は、みんなが当たり前にやっていることは、内容がどうであれ実行するけれど、みんながやっていないことは、論理的に「可」でも、実行しようとしないのです。  ですから、業界の人が、成人式に腕時計を買う文化を作るか、二十歳を迎える日本男児が「振り袖買うなら、オレにも腕時計買ってくれ」と声を大にして叫ぶしかありません。  そして、もしも「二十歳になったら高級腕時計」という文化が定着したならば、代々受け継がれる家宝となることでしょう。  二十歳には新品の腕時計を買い、いずれは自分が二十歳にもらった腕時計も息子に引き継ぐ。そうすると、お父さんやおじいちゃんが成人式のときの腕時計を次の世代が引き継ぎ、資産的にも感情的にも粋な文化となると思います。  ちなみに、今年二十歳を迎えるみなさんが生まれた年は、1998年4月2日から1999年4月1日ですが、その時代の腕時計がどのような値動きとなっているかをちょっとご紹介します。

20年前のロレックスの価格は今いくら?

ロレックスサブマリーナ16610

ロレックスサブマリーナ16610

 1998年当時の定価 約46万円⇒現在の中古最安値70万円以上※
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ロレックス GMTマスター2 48万円⇒?
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

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