“オレオレ詐欺”に騙された斎藤洋介、演技が自分より「一枚も二枚も上手でしたね…」
大切に貯め込んだ資産をアコギな手法で奪い取る「騙しの手口」は、消滅する気配がまるでない。むしろ我々のライフスタイルの変化に合わせ、より巧妙に、狡猾に進化してるのが現実だ。その最新トレンドを探るべく、詐欺&悪徳商法の被害者・加害者の双方を徹底取材。人間心理の隙間を巧みに突いてくる“悪魔のスキーム”を詳報する。
「自分も役者として、ある意味、演技で見る人を騙しているはずなんですが、オレオレ詐欺の電話役は一枚も二枚も上手でしたね……」
力なく笑うのは、俳優の斎藤洋介氏(67歳)。昨年末、次男を騙る「オレオレ詐欺」の被害に遭ったことを告白した話題の人物だ。
ある日の夕方、妻の経営する会社の固定電話から、携帯電話に非通知の着信が転送されてきた。次男を名乗る男は「急ぎ相談がある。未成年女性を妊娠させてしまい、慰謝料として500万円を用意しなければならないのでカネを貸してほしい」と泣きついた。斎藤氏は声の主をすっかり本物と信じ、叱責しつつも100万円を用意することを約束してしまう。
「非通知を訝しがる妻に、相手は『携帯を落とした』と言い、その後“新宿遺失物預かり窓口のハシモト”を名乗る人物からも携帯が見つからない旨の連絡があり、それも信じてしまったんです……」
劇場型詐欺の典型とも言える手口だが、いざ自分が当事者になると、気が動転してしまい冷静な判断ができなくなるという。
「こちらに考える隙を与えない。矢継ぎ早に行動を促されるので、違和感を覚えても流されてしまう。敵ながら見事でした」
かくして100万円という大金を奪い取られてしまった斎藤さんだが、身に危険が及ばなかったことは不幸中の幸いと言えるかもしれない。というのも、振り込め詐欺グループの中には暴力を用いて被害者から金品を巻き上げる連中も登場してきているのだ。
今後ますます凶悪化する振り込め詐欺の犯行現場
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