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東大の卒業式・入学式でスピーチする御仁の資格と品格/倉山満

上野千鶴子名誉教授の「スピーチでやってはいけないこと」3つ

 上野名誉教授の祝辞は、「スピーチでやってはいけないこと」のオンパレードだ。特に取り上げたい点が、三つある。  一つは、お祝いの席にふさわしくない言葉が多い。そもそも上野氏が言及している「性的な凌辱」とか「月経」とか、その言葉を出すこと自体がふさわしくない。わざわざ持ち出す単語か?  二つは、全体に向けて話していない。この新入生への祝辞、女子学生だけに向けて「社会には差別があふれている」と危機感を煽り、男子学生には「お前たちは差別者だ」と糾弾する。何のアジ演説だ? スピーチとして失格だろう。  三つは、自分を「第一人者」とか言っていること。上野名誉教授、自分がフェミニズム社会学を切り開くのが大変だったと言いたいのはわかるが、エエ年こいて、少しは謙抑的な表現ができなかったのか? 自分が主役だと思って自慢話をするスピーチくらい聞き苦しいものはない。  パヨク諸君が、ここまで合格最低点に達していないスピーチを褒めちぎるって何なのだろう? この三点だけで致命的だろう。これでは、人としての合格最低点に達していない。  場を弁(わきま)えない。一部の自分の支持者(&予備軍)のほうにしか目を向けない。自分が主役でないと気が済まない。そして、そういう人を持ち上げる。  保守業界で、これでもかと見慣れてきた光景だが、左の陣営も同じかと嘆息した。  左とか右とかではなく、「下」ではダメだ、ということだ。本当の意味での「上」、正論を通さねば。 <写真/時事通信社>
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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