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英語ができなくても世界一周はできる。車椅子とサラリーマンの旅人たち<乙武洋匡×東松寛文対談 第4回>

違う選択肢を知ってほしい

乙武:「最後にお聞きしたいのは、これだけ海外に行かれるじゃないですか。正直、いろんな面で日本が遅れてるなとか、心の豊かさという部分で疑問を感じたのはあると思うんです。そういうなかでも、あくまで日本にベースを置いている理由は?」 東松:「2つありますね。ひとつは海外旅行に行ったことで日本のよさに気づける。ありきたりだけど、ごはんがおいしい、安全だなとか、些細なことがありがたい。日常すらも非日常までいかなくても解像度があがって色濃くなって日本が好きになった」 乙武:「もうひとつは?」 東松:「勝手な使命感。僕はいわゆる社会のレールに綺麗に乗って生きてきた。日本の教育を受けた典型的な生き方だったけど、海外に行ったら知らないことだらけだった。そこで行く時間もなんとか交渉して、お金もなんとか捻出して、言語も勇気と好奇心でカバーして、海外を旅し続けたことで、いろんな生き方を知ることができた。でも、これは奇跡だと思ったんです。昔の働き方をしていたら、絶対に気がつけなかったと。  そういうことに気づけていない人たちがまだいるなら、海外旅行に行かなくても、そんな生き方もできると知ってもらいたくて。たくさん選択肢があることを子供たちに伝えたい。いろんな選択肢を知ったうえでサラリーマンを選択するのがいいことだよと」 乙武:「大人に対しても同じですよね」 東松:「僕はサラリーマンだからこそ、サラリーマンが共感してくれる。働き方改革で自分がわからなくなったり、時間はあるけどやりたいことがないっていう人たちに、選択肢を知ってもらいたい。日本で生まれ育ってきたなかで、その選択肢に気づいたっていう奇跡が起きたからこそ、伝えていきたい。あと英語が話せないってのもあるけど(笑)」 <取材・文/日刊SPA!編集部 撮影/荒熊流星> 【乙武洋匡】 ‘76年、東京都生まれ。大学在学中に出版した『五体不満足』がベストセラーに。卒業後はスポーツライターや、小学校教諭としても幅広く活躍。『ただいま、日本 世界一周、放浪の旅へ。37か国を回って見えたこと』が発売中 【東松寛文】 ‘87年、岐阜県生まれ。平日は広告代理店に勤務、週末は世界を旅する「リーマントラベラー」。主な著書に『サラリーマン2.0 週末だけで世界一周』『人生の中心が仕事から自分に変わる! 休み方改革』など
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ただいま、日本

日本を飛び出した乙武洋匡が、電動車椅子で海外移住も視野に入れた世界一周の旅へ!


人生の中心が仕事から自分に変わる! 休み方改革

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