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英語ができなくても世界一周はできる。車椅子とサラリーマンの旅人たち<乙武洋匡×東松寛文対談 第4回>

 世界一周の旅……。言葉だけ聞くと実現不可能に思える壮大な旅だが、かたや車椅子、かたやサラリーマンでありながら、それを実現させた男たちがいる。

世界を旅するなら一人で

乙武洋匡氏と東松寛文氏

乙武洋匡氏(左)と東松寛文氏(右) <撮影/荒熊流星>

 そんな世界一周ライフを続けているのは、近著の『ただいま、日本』でその様子を描いている作家の乙武洋匡氏。そして、「リーマントラベラー」として、平日はサラリーマン生活を送っている東松寛文氏だ。  前回に引き続き、彼らが世界一周にかける思い、そしてその裏側を語り合う。 【過去記事】⇒働き方からファッションまで。世界一周をする男たちが見た日本<乙武洋匡×東松寛文対談 第3回> 乙武洋匡氏(以下、乙武):「海外に行くなら、まずは一人旅がいいのかなと。日本の常識が世界の非常識だったり、日本の非常識が世界の常識だったりもする。え、そんなこともまかり通るんだというような経験が、まさに対応力を身につけてくれる。  だけど、2人以上の旅になるとコミュ力の高いほうが渉外的なことを担当するし、段取り力に優れたほうがリードしてくれる。そうなると、せっかく得られる経験が4割減ぐらいになっちゃう。自分の得意不得意関係なく、一人でいったら一人でなんとかせざるをえない。だから一人旅がオススメですね」 東松寛文氏(以下、東松):「たしかに友達と行くと、共有している時間は楽しいけれど、その時間は日本とあまり変わらないからもったいない。海外だと常にレベル1からスタート。英語わからないし、ホテルの取り方もわからない。そこからホテル予約して、パブで現地の人と仲良くなったりして、どんどんレベルアップするのを味わえる。これは日本だとなかなか味わえない」

実は英語ができない2人

乙武:「今話を聞いてて親近感が湧いたのは、東松さんは英語できないんですね。僕もできないんですけど、東松さんは何となくできそうなイメージだったので」 東松:「そうなんですよ。でも僕、日本だと気を使っちゃうほうですけど、わかんないほうが気をつかわなくていいんですよね。だから、向こうのほうが自分らしさを保てる。わかったほうが楽しいこともあるだろうけど、わかんなくても得られる経験はたくさんあるので」 乙武:「よく英語が通じない国に行くのが怖いと聞くけど、そもそも英語がわからない僕にとっては大差ない。ロンドンとかオーストラリアでも聞き取れないので、どこに行こうとデメリットを感じない(笑)」 東松:「変な質問になっちゃうかもしれないですけど、僕はボディランゲージが得意なんですよ。乙武さんはどうやってコミュニケーションをとってるんですか?」 乙武:「笑顔。あと、意外と日本語が通じる。言語としての日本語を理解してくれるわけではないけど、めっちゃ笑顔で『これ、おかわり』と言うと、意外にもうひとつ持ってきてくれたりする。みんな信じないんですけど、口にしてる言語がなんだろうと、気持ちを込めれば伝わる場面も多いなと」
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笑顔は言葉よりも語る?
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ただいま、日本

日本を飛び出した乙武洋匡が、電動車椅子で海外移住も視野に入れた世界一周の旅へ!


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