エンタメ

柔道全国大会の覇者がセクシー女優になるまで…「柔道を辞めて“何もない自分”を実感した」

柔道時代の負けず嫌い精神でAV出演を決意

AYA(鮫島るい) 風俗で働き始めてしばらく経った頃、彼女はAV出演を決意する。それは、奇しくも柔道で培った負けず嫌い精神からだった。 「夜遊び専門サイトの写メ日記ってあるじゃないですか。東京エリアのアクセスランキングで、私ともう1人の女のコで1位を争っていたんです。その時に柔道時代の負けず嫌い精神が発動しちゃって。どうしたら絶対に勝てるのかって考えたら、東京よりも広い全国の人に知ってもらえばいいのかなって。それで、AVに出演することを決めました」  現在はセクシー女優としても活動するAYAさんだが、まさに波乱万丈。5年前には心身を病み、医者からは“死”を予告されたという。 「その後、ひと通りのメーカーさんに出演させていただいたのですが……家庭の事情が色々あって、うつ病を発症。さらに摂食障害になって、ガリガリに痩せてしまって。35キロぐらいしかなかったんですが、それでも自分では太っている気がして。海外のダイエット薬を飲んだら、脱水症状になって低カリウム血症を起こして……下半身がマヒして、本当にヤバいと思って。 なんとか電話で助けを呼んで、救急車で運ばれたんです。不整脈でかなり脈が下がって、医者からは『あと1週間ぐらいで死ぬ』と告げられましたね。ICU(集中治療室)に入って、点滴を打ちまくったおかげでなんとか助かりました」  精神を病んでしまった根本の原因として家庭の事情があったというが、結局は母親が病院まで迎えにきてくれた。母親は、我が子の変わり果てた姿に涙を流したという。これをきっかけに家族仲は元通りに戻った。  とはいえ、痩せ細った姿でAVに出演しても売れるわけがなく、事務所をクビになってしまったのだ……。

過去に置き忘れてきた想い「もう一度戦いたい」

トレーニング

日々トレーニングに励むAYAさん

 その後はライフワークとして風俗で働きつつ、AVの事務所を転々とした。昨年はセクシー女優として1本も出演しなかったが、それには大きな理由がある。  テレビで格闘技イベントを何気なく見ていると、かつて柔道で試合をしたことがある選手たちが輝いていた。ここで、ある想いがわき上がってきたのだ。 「もう一度戦いたい」
10年前

今から10年前、柔道で全国制覇を成し遂げた。※画像はAYA(鮫島るい)さんのTwitterより

 彼女が過去に置き忘れてきたこと。幼い頃から身に染み付いた闘争本能。不完全燃焼で終わらせてしまった柔道。しかし、ここまで全身にタトゥーを入れてしまっては柔道界に戻ることは不可能だ。 「いま格闘技で活躍している彼女たちにも、私なら絶対に勝てる」  AYAさんは、格闘技の世界で再起を誓う。そして練習に専念するため、セクシー女優を休業。2018年9月、総合格闘技イベント「GRACHAN」のリングでプロデビューしたのだ。<取材・文/藤井厚年、撮影/長谷英史>
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi
1
2
※近日、続編を公開予定。10年前に柔道全国大会で優勝していたセクシー女優のAYA(鮫島るい)さん。かつてのライバルたちに触発され、総合格闘技の世界で再起を誓う。過去に置き忘れてきた栄光を取り戻すことはできるのか。激動の人生に迫る!
おすすめ記事