コミケ97が開幕、コスプレイヤーたちの“今年一番のニュース”は?
12月28日(金)、日本最大の同人誌即売会「コミックマーケット97」が開幕した。コミケといえば、会場を彩るコスプレイヤーたち。今回は冬コミ初日の様子をお届けすると同時に、“今年一番のニュース”を聞いてみた。
40年近い歴史をもつ日本最大の同人誌即売会コミックマーケットは、通常は年2回、夏と冬に東京国際展示場(東京ビッグサイト)全ホールを使って開催され、3日間開催で参加サークル数約3万5000、のべ入場者数約50万人、コスプレイヤー数約2万人以上という規模を誇る。
2020年夏の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、東京ビッグサイトは東展示棟が2019年春~2020年秋まで使用できず、一般参加者の待機場所などに使える面積が減少。アニメ関連企業などが出展する企業ブースが配置された青海展示棟、西展示棟、南展示棟が利用されているが面積的には従来の約7割程度となっていることから、通常よりも1日長い4日間での開催となっている。
変則的な日程で、一日当たりの規模的にも縮小したかたちでの開催を余儀なくされている「コミケ97」だが、コスプレエリアは例年に勝るとも劣らない熱気を帯びていた。
冷たい海風が吹き荒ぶなか、撮影に協力してくれた美女コスプレイヤーたちに、個人的な今年一番のニュースを聞いてみると「増税で衣装代とか趣味全般の予算が苦しい」という声がチラホラ。フリマアプリで衣装を売買するなど、衣装代の工面で工夫している人も少なくないようで、コスプレ予算は数千円〜2万円台が多かった。
増税によるお財布事情の厳しさを感じさせる一方で、「転職したら前職よりボーナスが上がりました」と話すのは医薬品関係の会社に勤めるいなさんだ。
「筆記試験もあって勉強が大変でしたが、決断して良かったなって。さらに、久しぶりに彼氏ができました。2019年は人生が変わったと思う(笑)」(いなさん@KoushiMao)
今回のコミケには、国内外から多数のメディアが取材に訪れていたが、シーンの盛り上がりをコスプレイヤーたちも実感している様子。
「今年はメディアでコスプレの特集が組まれることが増えたなって。池ハロ(池袋ハロウィンコスプレフェス)とかも大きく掲載されていたのがうれしかったです」(鈴風硝子さん@kumorinotihar)
「個人的にいちばん大きかったのは『池袋ハロウィンコスプレフェス』の“Cosplayer Of The Year”、スイート部門(女性・女装コスプレ)でグランプリを頂いたことです」(霧野さん。@cos_Kirino)
メディアの影響もあり、コスプレ人口は今も増え続けている。入り口付近で準備をしていた女性。取材班が声をかけてみると、やや不安げな表情で「どこにいればたくさん撮ってもらえますかね……?」と逆質問してきたのは、趣味でコスプレをやっているという多村彩美さん。
「普段は声優をやっているのですが、実はまだコミケに慣れていなくて。今年大きかったのは、やりたかったお仕事が決まったことです。『声優グランプリ』のライブイベントに出演が決まりました!」(多村彩美さん@A123s2A)
なお、東京ビッグサイトで2020年GW(5月2日~5日)に開催される「コミケ98」では東展示棟が引き続き利用できない上、オリンピック・パラリンピック東京大会の開催に合わせた臨海地区の公園・駐車場・空き地の利用が予定されており、さらに会場外の利用可能面積が減少する見込み。青海展示棟の企業ブースは5月2日~3日の2日間開催とし、5月4日~5日の青海展示棟は一般参加者の待機場になるという。
東展示棟が再び利用可能となる2020年冬のコミケ99は、東・西・南の各展示棟の全16ホールを利用しての3日間開催の予定。全国的に寒さが厳しい天気となった1日目だが、インフルエンザなど体調管理に引き続き注意して、残りの日程も楽しんでほしい。<取材・文・撮影/伊藤綾、藤井厚年>1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
コスプレイヤーたちの“今年一番のニュース”とは?
メディアでコスプレが大きく報じられるように…
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