更新日:2023年05月24日 14:37
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JRA新人騎手を買える時期、得意コース…その狙い時を元敏腕競馬記者が伝授

距離短縮馬がコントロールしやすい

 ファンが見て最もわかりやすい騎手の技術が、折り合いをつける技術だ。前に行きたがる馬をうまくコントロールして力を温存できるかが騎手の腕にかかっている。そこで頭に浮かんだのが「前に行きたがる傾向にある距離延長馬は新人騎手にとっては乗り難しいのでは?」という推測だ。前走より距離を延ばすということは、前走よりもゆったりしたペースでレースをしないといけない。そのため騎手には前に行きたがる馬を制御する技術が必要とされる。  新人騎手が距離延長馬に騎乗した場合は複勝率17.8%、複勝回収率71%という成績になっていた。「反対に距離短縮馬は制御する技術を必要とされにくいので好成績になるのでは?」と思い調べてみると複勝率25.8%、複勝回収率98%と高い数値が記録されていた。新人騎手×距離短縮馬のパターンは見つけたらおさえておきたいパターンだ。

新人騎手が得意なコースは……

 新人騎手の減量特典が活きやすい条件を具体的に探してみたところ、まず斤量の差が結果につながりやすいのは芝コースでは新潟1000mだ。複勝回収率は178%を記録しており破壊力は抜群。ダートでも集計期間中1000m戦の開催があった札幌、函館、小倉では斤量の差が出やすく複勝回収率は85%と水準以上の数値をマークしている。  またダート戦では距離にかかわらず馬場状態にも注目したい。 レースの前後に関係者からよく聞くのが「減量騎手器用でうまく粘りこみたい」、「斤量の軽い馬に残られてしまいました」といった内容のコメント。馬がゴール前でスタミナ切れとなっても、最後の最後は斤量が軽いとゴール前で大きくバテずに済むというのだ。これをヒントに考えると、「前残りの条件ほど斤量の軽い新人騎手が有利になるのでは?」という発想ができる。前が残りやすい条件といえば道悪のダートだ。重馬場のダートでは複勝回収率85%、そして不良馬場では94%と馬場状態に比例して回収率は上昇していた。  新人騎手というひとつの大きなくくりでみると上記のような見解を浮かべることができる。自分が騎手になることは不可能だが、騎手の気持ちを想像してみることはできる。そうした想像から仮説が生まれ、馬券で勝つためのポイントが見えてくる。今後は騎手にも注目してレース観戦を楽しんでみてほしい。
元「競馬エイト」トラックマン(栗東担当)。学生時代には中央、地方を全場渡り歩き、フランス、香港、ドバイまで駆け回っていた、根っからの現地観戦好き。『競馬伝道師』として週刊大衆やモンドTV「競馬バトルロイヤル」などでも活躍している。
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