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ロックダウンが一部解除されたタイの現在。ゴルフ帰りの日本人に呆れた

 タイ政府は5月3日、新型コロナウイルス対策で4月より行っていたロックダウン=都市封鎖を一部解除すると発表した。営業を再開したのは飲食店、小売店、理髪店・美容室、ゴルフ場などで、デリバリーとテイクアウトのみだった飲食店は政府の定める感染防止策を条件に店内での飲食が解禁された。
ショッピングモールのレストランとフードコートは混雑を避けるためにテイクアウトのみ

ショッピングモールのレストランとフードコートは混雑を避けるためにテイクアウトのみ

 非常事態宣言が発令された3月末、バンコク在住の日本人男性(Kさん)に取材をした。現在、ロックダウン解除されたバンコクはどのように変わったのだろうか? 再び、話を聞いてみた。

皆が一気に外出?

電車内は今もガラガラ

電車内は今もガラガラ

「4月の旧正月の水掛け祭り(ソンクラーン)の中止によって、禁止されていた酒類はバンコクでは5月3日より販売再開されました。しかし、店内での飲酒は継続して禁止されています。加えて、午後10時~午前4時の間の夜間外出禁止令も継続中です。違反者には最大2年の禁錮か4万バーツ(約13万円)の罰金が科せられるんですが、ロックダウン前にパンガン島やサメット島から戻ってきたバックパッカー達が夜中出歩いて、警察に捕まっているのを何度か見かけました。離島だと警察も緩く、賄賂を払えば見逃してくれることもあるのですが、今のバンコクはそう甘くありませんからね。  現在、同じくロックダウンが一部解除されたプーケットでも、帰国できなくなった旅行者の持ち金がなくなってホームレスになっているというニュースが少し前にありました。国外から来ているバックパッカーは今も、かなり苦労していると思いますよ」  ロックダウンが解除され、約1か月ぶりにまともに外出をしたというKさん。しかし、実際に外に出てみると不安の連続だったという。
大混雑の日系スーパー

大混雑の日系スーパー

「日系スーパーに行ったのですが、みんな一気に外出したことによって駐車場が全然空いていないんです。もし、店内に入れたとしても人が多すぎて感染するかもしれない……と思うと怖くて、結局、駐車せずに出てきました。それでもしっかりと、20バーツの駐車場代は取られましたね……。それに、スーパーに行く間にフードデリバリーのバイク事故を2回も見たんです。今まで道が空いていた分、我が者顔で飛ばしていましたからね。派手に車と衝突したようで、恐らくデリバリーのドライバーは亡くなったんじゃないかな……」

マスクをせずに喋る日本人たち

 だが、さらにありえないと感じたのは同郷の行動だという。
レストランのテーブルは4人がけのうち、1つしか使えない

レストランのテーブルは4人がけのうち、1つしか使えない

「レストランは現在、カウンターが1.5m間隔、テーブルは向かい合わせに座るのは禁止されているので1テーブルにつき1人しか座れないようになっています。日系レストランで食事をしたときに、僕はカウンターに座っていたのですが、そこにゴルフ帰りの日本人4人組が入店してきたんです。僕が端に寄ろうとしたら、なぜか僕を挟むようにカウンターに座ったんです。しかも全員、マスクもしていないのに大声で喋りだして……。唾は飛びまくるし、久しぶりの外食を味わうどころか急いで食べて店を出ましたよ」
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日本人が嫌われている?
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano

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