入国が緩和されたタイの夜遊び最新事情。3密の極致だった“バーエリア”は?
ビジネス渡航のための入国は一部緩和されたが、海外旅行者の受け入れについては今も議論が続いているタイ。市中感染の拡大は抑えられているものの、9月末までは非常事態宣言の延長が決定されており、今も楽観できない状況だ。
ロックダウンが一部解除された5月上旬、バンコク在住の日本人男性(Kさん)に取材をしたが、再び話を聞いてみた。
「ロックダウン解除後に皆、一気に外出したので再び感染拡大するのではないかと不安だったのですが、今は水際対策が強化されているので市中感染者は抑えられています。
というよりも、市内の検査所も減っているので検査を受ける人自体が少ないのかもしれません。24時間営業のスーパーは深夜に客が来ないのか時短営業を行っているところもありますが、それ以外は通常通り再開。屋内施設ではマスクの着用が義務付けられていますが、飲食店のテーブルに座れる人数制限などは緩和されています。デパートのフードコートのランチ時は家族連れで賑わっていて、コロナ前の日常に戻りつつありますね」
一方で、日本からの進出も多い飲食店の状況はどうなのだろうか。
「僕が住んでいるのは現地採用が多く住んでいるローカルエリアなのですが、日系居酒屋の客入りは戻りつつあると思います。日系飲食店の中でも元々、タイ人客が多かった飲食店は混んでいて、逆に日本人駐在員がよく行くタニヤなどは閑散としています。
一時は『素手で握るので感染が心配』という理由で寿司レストランの客が激減したと聞きましたが、この前、近所の寿司屋を覗いてみたらコロナ前と同じくらい混んでいました。飲食店は客が入っている店と入っていない店で二極分化されている状態です」
一見、コロナ前の日常に戻ったようにも見えるバンコクだが、その裏で夜の街では今も厳しい状態が続いているという。
「7月からバー、カラオケ店、マッサージなどが再開されたときに歓楽街でもあるナナプラザに行ったのですが割と混んでいました。でも、先週行ったときはガラガラでいくつか閉店する店の噂も聞きましたね。バーの女の子達はフェイスシールドを着用しての接客なので、最初は物珍しさに見に来る客もいたのですが、今は飽きられてしまったのかもしれません。
ナナプラザで唯一混んでいたのは、3階にある欧米人客ばかりのゴーゴーバーのみ。日本人は夜の街への外出を会社から自粛するように言われていることもありますが、欧米人は関係なく飲みに来ているようです。
また、同じく繁華街のソイ・カウボーイでは通りの女の子の客引きはたくさんいるのに男性客は僕1人のみ。皆、ソーシャルディスタンスを保っているのか腕を掴むよう強引な客引きもありませんでした。人気のゴーゴーバーは一部のフロアを閉めていて、女の子は1/3程度しか出勤していませんでした。
でも、以前は遠い場所だと乗車拒否をされていた繁華街のタクシーが今はすぐに乗れるようになったんです。料金も運転手との交渉だったのですが、客を逃したくないのかすぐにメーターを回してくれるようになりましたね」
寿司屋の客入りはコロナ前に戻る
夜の街から男性の姿が消えた
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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