恋愛・結婚

引きこもりの新郎の兄、家出した新婦の父。結婚式に参列した結果…

 6月と言えば、かねてから結婚式が多いシーズンと言われている。最近では、身内だけの少人数式や友人向けのカジュアルなパーティー形式など、挙式の簡素化が進む中、旧式の披露宴、挙式というスタイルもいまだ根強い。結婚式の参列者の顔ぶれは、まさにこれまでの人生の集約といえよう。

身内トラブルで、式の準備が憂鬱…

結婚式イメージ

写真はイメージです(以下同じ)

 斎藤和樹さん(36歳・仮名)は昨年、結婚式を挙げたばかり。結婚相手である幸恵さん(35歳・仮名)とは、数年にわたる交際期間を経て入籍。職場の同僚だったため、周りへの報告もかねて、結婚式を挙げたいという意向は一致したという。 「よく、式を挙げる挙げないで揉める話を聞いていたので、そこはほっとしました。僕らの勤めている会社は、全体で150人程度の企業なのですが、直属の上司以外にも、代表取締役の社長も出席してくださることになり、伝統ある神社での神前式と披露宴を行うことになったんです」  大勢の参列者に祝われる人生の門出。まさしく幸せな瞬間であろう。しかし、和樹さんには頭を悩ませる兄がいた。 「僕は次男で、10歳年上の兄がいます。年が離れていたので、あまり一緒に遊んだ思い出はないんです。兄は未婚で、実家の一軒家に母親と二人で暮らしています。もともと引きこもり気味だったのですが、父が数年前に他界してから、それが悪化したように思います。 引きこもり 兄は一軒家の二階に住んでいて、誰も二階に上がることを許してもらえないんです。母とのコミュニケーションは、階段の下に置いているお手製のパネル。妻とも何度も実家に訪れているのですが、顔を合わせたことがない始末…。仕事自体はしているものの、半分引きこもりで、結婚式もどうしようか悩みました」  和樹さんだけではなく、幸恵さんの場合は父に問題があったという。 「妻の父は20歳の時に家を出て行ってしまったそうなんです。妻は『父とは連絡先を知っていて、法事などで数年前に会ったが、非常識なところがあるので呼びたくない』と言うんです。うちの母が『結婚式に両親呼ばないなんて』と怒り出しました。式の準備よりも、出席の段階でここまで苦労するとは思いませんでしたよ」
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料理を一口も食べない兄、アロハシャツの新婦父
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