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競馬AI予想で「コレ買えたのに……」な馬券がなくなる

対決動画も好評。人類はAIに勝てるのか?

AI予想の欠点

 だが、AI予想もいいこと尽くしではないようだ。AIにどんなデータを与えるかは人間側の仕事になる。結局は人の技量も問われるのだ。ごんつさんの見解としても、 「どれくらいのボリュームのデータを、何年分与えるか、というところがエンジニアの腕の見せ所になります」とのことだ。 逆に言えば、優秀なデータを与えれば与えるほど、その精度も上がっていくと言う。 「競馬予想界きってのデータ派であるショータさんの過去予想データを組み込めば、誰にもマネできないオリジナルな競馬AIを生み出すことができるでしょう」(ごんつ氏)  これはAIが鈴木ショータの過去予想データを優秀と判断してくれるかどうかがポイントになるが(笑)、完成した暁には、ものすごい成果を生み出しくれそうだ。  また、AIの欠点として予想の面白みに欠けるところもある。AIは複雑な計算をした最終結果しか提示してくれない。馬番と買い目だけを提示されて、それに丸乗っかりするというのは、個人的には寂しいと感じる。それで大ハズレした日には、自分を納得させる材料が見当たらなさそうだ(笑)。それは開発者から見ても同様で、 「AI予想は電子レンジみたいなものですね。開けてみたら美味しい料理ができてるんですけど、中で何が行われているかは、開発者でもわからないんです」(ごんつ氏)  AIは機械的に予想してくれるが、その結果を人間側も“機械的”に受け取らないといけない。競馬を投資としてとらえるなら、それでも問題ないが、エンターテインメントとして考えると、少し面白みに欠けるのではないだろうか。

今後の競馬界における立ち位置

鈴木ショータ

鈴木ショータ氏

 AIは今後競馬界で、大きな市民権を得ることになると思う。ただし、AI予想だけが広まっていくことはないだろう。逆にそうでないと、筆者のような予想家の仕事がなくなってしまう(笑)。  AI予想は、投資としては確かに勝てるかもしれない。ただし、競馬というスポーツ、エンタメとしては、人間の予想家には敵わないはずだ。競馬ファンは、馬券で勝つ!という目標もあるが、競馬予想を楽しむ、という向き合い方もしているからだ。そのため、今後、競馬記者や予想家に求められることは、予想の説得力やプレゼン能力になるだろう。その文章や口上にファンは心惹かれ、同じ夢に乗っかり、レース観戦を楽しむのだと思う。  馬券で勝つために仕事をするのがAI、競馬予想を楽しむための仕事をするのが、記者や予想家の役割になるだろう。それこそが人間と機械の共存になるはずだ。
元「競馬エイト」トラックマン(栗東担当)。学生時代には中央、地方を全場渡り歩き、フランス、香港、ドバイまで駆け回っていた、根っからの現地観戦好き。『競馬伝道師』として週刊大衆やモンドTV「競馬バトルロイヤル」などでも活躍している。
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・競馬AI「Tera」の予想印は、鈴木ショータ主宰のPDF新聞にて公開中! https://shotasuzuki8.stores.jp/

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