AI(人工頭脳)の波が、競馬界にも押し寄せている。すでに、将棋や囲碁の世界では、AIが人間に勝利した歴史もあり、競馬においても、AIの波に乗ることが、勝ち組への近道になる可能性は高い。
競馬AIの魅力とは?
鈴木ショータが競馬AI「Tera」と馬券対決をした模様は
YouTubeにもアップしているので、ぜひご覧いただきたい。
競馬新聞で予想する時代は終わった!?
競馬新聞を眺めて予想するようなアナログではなく、パソコンなどを駆使しデジタルな手法で競馬に取り組み、利益をあげていた事例は過去にもあった。「馬券裁判男」として1億5000万を馬券で稼いだ卍さんも、パソコンの競馬ソフトを用いて機械的に予想をし、馬券を自動で購入していたという。
また、データ分析の「UPRO(ユープロ)」という会社が、馬券で得た160億円もの所得を隠していたという事件が過去にもあった。独自の予想プログラムを構築し、来る可能性の低い馬を除いた3連単を全て買っていたという。
これらの事例をみても、データ的、機械的、そして長期的に競馬を分析することで、馬券で利益をあげることができることが判明している。
そこで今回は
競馬AI「Tera」を開発した、ごんつさんに実際にAIで競馬は勝てるのか、AIの優れた点と欠点など、いろいろなお話を伺ってみた。
ごんつさんの見解は強気だ。
「短期的にはともかく、
長期的な勝負でAIが人間に負けるわけはない、というのが私の見解です。私の作った競馬AI『Tera』は不完全なプロトタイプですが、過去1年間のデータでは回収率100%超を実現していますし、今後安定的な収益化に至る自信はあります」
確かに筆者もアナログな予想法でありながらも、長期的な視点で競馬をとらえ、結果を残してきたが、人間である以上、体力、集中力、記憶力の限界も感じている。
AI予想が優れている点
まず筆者から見てAIを羨ましいと思う点は、
予想に全く時間がかからない点だ。人間が予想に1レース10分かけると仮定しても、全36レースでは10分×36レース=360分、実に6時間もかかることになる。これを土日ともにやると、計12時間。趣味どころか、ちょっとした労働とすら感じる。
1人の人間が全レース予想して楽しもうとすると物理的にかなり難しい。だが、AI予想を用いれば瞬時に予想結果を出してくれるため、時間がない方でも全レース馬券を楽しむことができるのだ。
次に優れていると考える点は、安定して同じ精度で予想できることだ。上記のように36レース予想するとなると、1レース目と36レース目を予想するときの集中力は、明らかに違う。AI開発者ごんつさんも、
「1人の人間が、1週間で収集し分析できるデータの量にはやはり限界があります。しかし、AIにはほとんど限界がなく、数値化されたあらゆるデータを余さず利用可能です。また、人間にはどうしてもヒューマンエラーがありますが、AIにはそれがありません。『終わってみたらこの穴馬、買い要素めっちゃあったのに……』といった悔しい思いをすることはゼロです」
と話してくれた。競馬にタラレバはないのだが、「これ買えてたじゃん!」と後悔したことがある人は多いだろう。AIにはそういった
見逃しやミスが起こりえないので、安定して、同じ精度で予想を続けてくれるのが長所である。
そして最後に、回収率が優秀な点が挙げられる。筆者も、回収率が高い条件をいくつか自分のなかにノウハウとして持っているが、その条件を複数満たす馬を買い続ければプラス収支にできると感じている。ただし、競馬は無数の要素が存在し、人間ではそれを全て考慮して予想することは不可能に近い。AIの場合は、回収率が高い条件を覚え込ませれば、余すことなく全て考慮し、計算してくれる。その結果、期待値の高い馬や馬券を算出してくれるので、優秀な回収率をマークすることができるのだ。
元「競馬エイト」トラックマン(栗東担当)。学生時代には中央、地方を全場渡り歩き、フランス、香港、ドバイまで駆け回っていた、根っからの現地観戦好き。『競馬伝道師』として週刊大衆やモンドTV「競馬バトルロイヤル」などでも活躍している。
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