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ユニクロの急成長は、柳井社長が“あるオッサン”に出会って始まった

人物の影響はモチベーションになる

 もちろんそう思って始めてみると、「実際にはそんなに簡単なことではなく、失敗や挫折、試行錯誤を繰り返した」という体験談があとに続きます。こうした成功者の体験談で大切なのは、「こんなことくらい自分にもできる」という考えが現実的だったかどうかではなく、そう考えたことがモチベーションになって挑戦が始まった、という点です。  柳井正が父親からアパレル店を任され、そのあり方を模索していた1980年代後半、アメリカではSPAを業態としたGAPやリミテッドといった企業が数千億円という規模で売上を伸ばしていました。しかし単に「海外の企業がそういうやり方で急成長している」という話を知るだけでは、「自分もそうしよう」とは思えません。そう思えるようになるには、誰かとのやりとりで心を揺さぶられ、その人をお手本にする必要があります。柳井正の場合は、それがジミー・ライだったのです。  こうした人物の影響というのは軽視されがちです。ユニクロのような実店舗のあるビジネスから、アフィリエイトのような副業まで含めて、「こうすれば上手くいく」という仕組みばかりが重視されていて、自分の心情をおろそかにした結果、モチベーションが続かずに脱落していきます。  モチベーションの正体は心情です。そして、その心情は人と人の結びつきによって生まれます。柳井正の『自分たちで商品を作る』という決断に、ジミー・ライに対する「この人にできて、自分にできないはずがない」という心情があったことは、このことを物語っています。  誰かの成功を見ていて、口には出さないとしても、「こんなことくらい自分にもできる」と感じることは誰にでもあると思います。もしそう思ったのなら、実際に始めてみましょう。現実はそこまで甘くはなく、まず間違いなく失敗や挫折を体験するでしょうが、成功者はその失敗や挫折を乗り越えて成功しています。 佐々木
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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