建築家・隈研吾の自信の源は「2畳のタタミ」にあった
―[魂が燃えるメモ/佐々木]―
いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第195回
2020年に開催が予定されていた東京オリンピックでは、建築家の隈研吾氏が新国立競技場を設計しました。彼は著書『なぜぼくが新国立競技場をつくるのか』(日経BP社)で、自分の建築を「無口な建築」と表現しています。
この「無口な建築」と正反対なのが、廃案になったザハ・ハディドの建築です。隈研吾はザハ・ハディドの建築について、「図面や模型で見たときに、『ああ、ユニークですごい!』と、思わされる迫力があります」と評しています。
一方、自分の建築については、「図面や模型ではなく、現実に体験した時に実感できる『質』です。(中略)そこをコンペの図面の段階で理解してもらうことは、簡単ではありません」と記しています。
彼はなぜわざわざ簡単ではない「無口な建築」という道を選んだのか。決断には常に人物の影響があります。「あの時、あの人が、ああ言ったから。だから自分はこうする」ということがあって、人は何かを決断します。隈研吾の「無口な建築」の決断には、留学時代の友人の影響があります。
隈研吾は東京大学卒業後、ニューヨークのコロンビア大学に留学しています。留学する前は自分のロジックに自信を持っていたのですが、大学院でのディベートにまったく勝てず、「これは駄目だな」と思い知ったと言います。
自分のロジックに見切りをつけた彼は、タタミを2畳用意してアパートの真ん中に並べ、そこに仲間を呼んでお茶会を開きました。すると普段は議論百出になるところが、シーンと静まり返ったそうです。
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コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
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